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聖書の豆知識:中通りコミュニティ・チャーチ

大洪水後

歴史の流れ 4

ノア契約

アダム契約は無条件契約でした。そこで、人間が悪霊と雑婚するというような失敗を犯したにもかかわらず、今も継続しています(大洪水というさばきは招きましたが、約束自体は取り消されていません)。それどころか、神さまは、アダム契約に加えて新たな契約(ノア契約)を用意なさいました(創世記9:1-17)。

その内容を要約すると、
  1. 生めよ、増えよ、地に満ちよという命令。最初のエデン契約と同じ命令です。ただし「地を従えよ」「生き物を支配せよ」という命令は取り除かれています。人間は地上の支配権をサタンに奪われたままだからです。
  2. 肉食の許可。どの生き物の肉でもOKです。 これはアダム契約の食事規定と矛盾しますが、新しく立てられた法や契約の方が古いものより優先されます。
  3. 動物が本能的に人間を恐れるようになりました(肉食が始まったからです)。
  4. 血や、血の滴る肉(調理していない肉)は食べてはならないという禁止命令。それは「血は命である」という思想によります(だから、血の犠牲をささげるということは、命をささげるのと同じ)。血を食べないことにより、命の尊さを教えています。
  5. 人を殺したら死刑という定め。ただし、個人的な報復、リンチではなく、何らかの統治組織による公の裁判で死刑を宣告し、執行することが求められています。 これもまた、命の尊さを教えています。
  6. もう二度と全世界を覆うような大洪水によって人類を滅ぼさないという約束。そのしるしが虹です。ただし、「二度と人類を滅ぼさない」という約束ではなく、今度滅ぼすときは火によってであると言われています(第2ペテロ3:7)。
このノア契約も、人間の側がいかに失敗したとしても継続される無条件契約です。人間に守るように命じた命令はありますが、それが約束(二度と全世界を覆うような大洪水で人類を滅ぼさない)の交換条件になってはいません。よって、たとえ人間がこれらの命令に反したとしても、神さまの約束は今も有効です。

人類みな兄弟

ノアの3人の息子たち、セム、ハム、ヤフェテから、再び人類が世界に増え広がっていきました。

ちなみに、後のユダヤ人はセム系の民族です。日本人など東アジアの諸民族が何系かは、聖書からは分かりませんが、ヤファテの子孫は最も広く世界に拡散していきましたから、ヤファテ系かも知れません。

もちろん、ハムの子カナンがノアに呪われた記事(創世記9:20-27)を用いて、アフリカ系有色人種の人々が呪われた人種だと考えるのは間違いです(カナンの子孫カナン人はパレスチナに住みました)。

バベルの塔事件

世界中に広がるようにという神さまの命令に反して、人々はシンアルの地(後のバビロン)に集まって都市を造り、そこに高い塔を建てて天に届こうとしました。これは、従うべき神さまの存在を否定し、自分が神になって好き勝手に生きようとする罪の性質の表れです。

「さて、全地は一つの話しことば、一つの共通のことばであった。人々が東の方へ移動したとき、彼らはシンアルの地に平地を見つけて、そこに住んだ。彼らは互いに言った。『さあ、れんがを作って、よく焼こう』。彼らは石の代わりにれんがを、漆喰の代わりに瀝青を用いた。彼らは言った。『さあ、われわれは自分たちのために、町と、頂が天に届く塔を建てて、名をあげよう。われわれが地の全面に散らされるといけないから』」(創世記11:1-4)。

ニムロデ

バベルの塔事件の中心人物は、創世記10:8-12に登場するニムロデだと考えられています。

「クシュはニムロデを生んだ。ニムロデは地上で最初の勇士となった。彼は【主】の前に力ある狩人であった。それゆえ、「【主】の前に力ある狩人ニムロデのように」と言われるようになった。彼の王国の始まりは、バベル、ウルク、アッカド、カルネで、シンアルの地にあった。その地から彼はアッシュルに進出し、ニネベ、レホボテ・イル、カルフ、およびニネベとカルフの間のレセンを建てた。それは大きな町であった」(創世記10:8-12)。

ここで「主の前に」と訳されている言葉は、直訳すると「主の顔の前に」で、「主に逆らって」という否定的なニュアンスを持ちます。

ニムロデは自分を神格化して(彼を、後のバビロンの主神マルドゥクと同一視する人々もいます)、天に届くための塔を建設しました。異教、偶像礼拝の始まりです。なお、聖書の中で「バビロン」という言葉は、単に都市や国を指すだけでなく、異教や偶像礼拝の象徴となりました。

言葉の混乱

そこで神さまは、人々の言葉を乱します(それまでは、前述の通り、全人類がヘブル語を話していました)。たくさんの国語が生まれ、意思の疎通が難しくなってしまった人々は、バベルにだけ固まって生きていくことができなくなってしまいました。こうして、また人類は世界に広がり始めました(創世記11:5-9)。


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