出エジプト後

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歴史の流れ その6

モーセ契約(シナイ契約)

出エジプトを果たしたイスラエルの民は、シナイ山で神さまと契約(モーセ契約、あるいはシナイ契約と呼ばれています)を結びます。

ただし、アブラハム契約を破棄して、モーセ契約を結んだのではなく、アブラハム契約の祝福をいただいたユダヤ人が、どのように生きればいいかを示す指針として与えられたものです。

モーセの律法

具体的には、モーセの律法(トーラー)と呼ばれる規則が与えられました(出エジプト記20章〜申命記28章)。ユダヤの学者によると613の規則があって、道徳律、刑法・民法・商法に当たる規定、食事や衣服などに関する規定、病気への対応、宗教的儀式のやり方など、生活の様々な行動を定めています。

そして、モーセの律法を守れば祝福、破れば呪いがもたらされるというのが、モーセ契約です。

モーセの律法の主な目的

ユダヤ人をユニークな存在とする

モーセの律法に基づく生活、たとえば様々な食事規定や、裾の四隅に房をつけた服や、剃らないひげや、7日で1サイクルとして土曜日には全国一斉に休息することや、様々な変わった儀式などは、ユダヤ人と異邦人とが決定的に違う存在なのだということを、視覚的に訴えます。

伝道のスタートは違いを示すことですから、異邦人にユダヤ人の変わった生活スタイルを見せることは、ユダヤ人という民族に興味を持ってもらい、さらにはそのユダヤ人が信じている神さまに興味を持ってもらうきっかけとなります。

ユダヤ人を異教徒から遠ざける

この時代、異邦人がアブラハム契約が約束している「イスラエルを通して異邦人も祝福される」という約束を自分のものにしたければ、偶像の神から離れてイスラエルの神を信じるだけでなく、割礼を受け、モーセの律法に従うことを誓約して、ユダヤ人のような生活をしなければなりませんでした。

その結果、ユダヤ人は異教徒と分離することになり、異教や偶像礼拝の影響を免れます。

キリストによる救いに導く

モーセの律法を完璧に守ることなど、人間には不可能です。そこで、失敗した人のために、律法の中にも血の犠牲の制度が定められました。

このことは、ユダヤ人に、人間の行ないの正しさによって神さまに受け入れられるのは不可能であり、ただ神さまの一方的な恵みによってのみ救われるのだということを教えます。

そして、やがて「女の子孫」である救い主が現れたとき、この方に信頼して人生をお任せすることができるようになるでしょう。そのために、ユダヤ人にモーセの律法が与えられました。

「こうして、律法は私たちをキリストへ導くための私たちの養育係となりました。私たちが信仰によって義と認められるためなのです」(ガラテヤ3:14)

モーセの律法の範囲と廃棄

モーセの律法は、ユダヤ人の生活を規定するために与えられました。ですから、旧約聖書の時代も、異邦人はモーセの律法の規定に縛られていませんでした。

そして、イエス・キリストの十字架の時、すなわちイエスさまがご自分の血を完全な犠牲としてささげてくださった時、モーセの律法は役割を終えて廃棄されました。

「キリストが律法を終わらせられたので、信じる人はみな義と認められるのです」(ローマ10:4)

ですから、今の時代を生きる私たちは、モーセの律法を守る義務はありません。日本人はもちろん、たとえユダヤ人でもです。ですから、聖書に書かれている命令を自分の生活に適用するときは、この点を注意してください。今の私たちには、代わりに「キリストの律法」という基準が与えられています(後述)。

土地の契約

モーセの律法とは別に、神さまはアブラハム契約の中の「土地の約束」について、さらに詳しく定めた契約を用意なさいました。これを「土地の契約」といい(以前の書物ではパレスチナ契約と呼んでいました)、申命記30:1-10、エゼキエル16:1-63に書かれています。

内容を要約すると、 現在のイスラエル共和国は、まだ国家的に悔い改めてイエスさまを救い主として受け入れているわけではありません。ですから、この土地の契約はまだ完全には実現しておらず、現在も継続中です。

ヨシュアと士師の時代

40年間の荒野での放浪

エジプトを脱出して、すぐにでも約束の地カナンに入ることができたはずのイスラエルですが、敵を恐れて神さまを信頼しなかったため、40年間荒野に留まらなければならなくなりました(民数記13章〜申命記34章)。

ヨシュア

40年たって、出エジプト時の大人世代がしべて死んだ後(ヨシュアとカレブを除く)、イスラエルはカナンの地に入りました。カナンの地に入る直前、モーセも亡くなり、後継のリーダーとして選ばれたのがヨシュアでした。

ヨシュアはユダヤ人を率いて約束の地に入り、そこを次々と占領していきました(ヨシュア記)。

士師たち

ところが、ヨシュアが亡くなると、ユダヤ人の信仰は低迷し始めます。そして、神さまの教育的指導によって、たびたび異邦人から攻撃され、従属させられて苦しむようになります(上述の「土地の契約」の警告通りです)。その結果、ユダヤ人たちは悔い改めて神さまに助けを求めます。すると、神さまは士師と呼ばれる一時的なリーダーを立て、異邦人を追い出して平和をもたらします。

しかし、のど元過ぎれば何とやら、またユダヤ人は不信仰に陥ります。そして、さばきとして異邦人の攻撃があって、悔い改めて、士師が現れて解放されて、また不信仰に陥って……士師記はこのパターンが延々と続きます。

なお、士師記の中には、以下のような士師が登場します。
  1. オテニエル(3:7-11)
  2. エフデ(3:12-30)……左利き
  3. シャムガル(3:31)
  4. デボラ(4:1-5:31)……女性です
  5. ギデオン(6:1-8:35)……臆病者でした
  6. トラ(10:1-2)
  7. ヤイル(10:3-5)
  8. エフタ(10:6-12:7)……継母に家を追い出され、ごろつきの親分をやっていました
  9. イブツァン(12:8-10)
  10. エロン(12:1-12)
  11. アブドン(12:13-15)
  12. サムソン(13:1-16:31)……怪力無双ですが、乱暴だったので鼻つまみ者でした
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