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ショートエッセイ:中通りコミュニティ・チャーチ

最初が肝心

(2008年9月21日)

寒い夜。旅人がテントで寝ておりました。

ふと目を覚ますと、ラクダが頭でテントをつついています。ラクダは主人である旅人に言いました。「ご主人様。外はとても寒いのです。どうか頭だけでも入れていただけませんか?」

「よしよし」。旅人は、ラクダの頭をテントの中に入れてやりました。

しばらくすると、ラクダは首までテントに突っ込み、「ご主人様。頭だけ温かで、首が冷えると、頭が痛くなってしまいます。首の所も、頭と一緒に少し入れてはいただけませんか?」「よしよし」。

しばらくすると、ラクダは頭を左右に振ってこう言いました。「足先が冷えて眠れないんです。前足だけで結構ですから、入れていただけませんか?」「よしよし。ちょっと狭いが、前足だけならいいだろう」。

ラクダは前足をテントに突っ込むと、そのまま体全体をテントの中に入れてしまい、そして旅人に向かってこう言いました。「このテントは2人には小さ過ぎる。あなたは体が小さいから、寒さもこたえないだろう。さあ、出てってくれ!」

ラクダは旅人を蹴っ飛ばしました。

悪魔の誘惑対策は、最初が肝心。「ほんのちょっと」「これくらいなら」が命取り。

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