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ショートエッセイ:中通りコミュニティ・チャーチ

熟年性遠視

(2008年11月23日)

これは、ある料亭の女将さんの話です。女将さんは、自分はまだまだ若いと思っていました。ところが、最近どうも新聞の文字が読みにくくなってきました。これはいよいよ「老眼」かと思いましたが、しばらくはその言葉を心の中で打ち消していました。それでも、どうにも目が疲れるものですから、ついにメガネ屋に行く決心をします。

愛想のいい店員が応対してくれました。「いらっしゃいませ、奥さま。どのようなメガネをお求めですか? 遠方用でしょうか、お近く用でしょうか」。女将さんは、店員の言う意味がよく分からなかったので、ただ首をひねってみせました。すると、店員は続けて、「遠方用はお芝居をご覧になるときに便利でございます。お近く用は、プログラムをお読みになるときのメガネでございます」。

「ああ」と女将さんはうなずきました。「お近く用ってのは、要するに老眼鏡ね」。すると店員は、大きく首を振って言いました。「いいえ。老眼鏡は、70、80になられた人生の大先輩の方々がおかけになるものです。お客さまには、『熟年性遠視』用のメガネをご用意させていただきます」。

この女将さん、いい気持ちで、老眼鏡、もとい、熟年性遠視用メガネを手に店を出ました。

使徒ヤコブが語っているように、舌を制御するのは至難の業です(ヤコブ3章)。しかし、皆さんの言葉は、いつも神さまの愛を証しし、人々を慰め、励まし、建て上げるような、温かい言葉であると思います。それは、皆さんが舌の制御の難しさを知っており、謙遜に神さまの助けを祈り求めていらっしゃるから、そして、日々工夫し修練していらっしゃるからですね。

もちろん、成長は無限です。ますます私たちの舌がイエスさまの舌に近づくように、祈り、また工夫し、励んでいきましょう。

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