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ショートエッセイ:中通りコミュニティ・チャーチ

口先の祈りだったのに

(2009年4月5日)

アルメニアの一商人が、商隊を組んでトルコを旅していました。ところが、この商隊を強盗団が尾行していました。商隊が野営したところを襲撃しようと狙っていたのです。

やがて夜が更けて、強盗団は計画通り商隊のキャンプを襲撃しました。ところが、昼間には何もなかった所に高い塀が張り巡らされており、どうしても侵入することができません。

次の夜、再び彼らはキャンプを襲いましたが、これまた高い塀に阻まれて侵入できませんでした。

3日目、やはり同じようにキャンプは塀で守られていました。ところが、その夜に限って、塀の一部に小さな破れ目が見つかりました。強盗たちは一人一人そこから中に侵入していきました。

しかし、不思議な出来事に恐れを感じた親分は、商人を揺り起こしました。そして、この3日間の出来事について、彼に問いただしました。「いったい、この不思議な出来事の意味は何なのだ。それを教えてくれたら、お前たちの命にも荷物にも手を出さないでおいてやる」。

商人は言いました。「私は塀など作りませんでした。ただ、私はイエス・キリストを信じる者であり、毎晩旅の安全をお祈りしています。私は、天地をお造りになった神が、すべての悪から私を守ってくださることを確信し、この身を委ねています。しかし、今夜はとても疲れて眠かったので、口先だけの祈りをして寝てしまいました。あなた方が破れ目から侵入できたのは、そのためでしょう」。

さて、私がこの話から教えられたのは、口先だけの祈りじゃダメだということではありません。不十分な祈りにも関わらず、なおも神さまは商人を守ってくださり、さらにまた、強盗たちがこれ以上罪を重ねることがないようにしてくださいました。神さまの愛の、なんと大きいことでしょうか!

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