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ショートエッセイ:中通りコミュニティ・チャーチ

心のお掃除

(2010年3月7日)

少年たちが、レオナルド・ダ・ヴィンチのアトリエを訪れ、かの天才が絵を描くのを見学していました。ところが、少年の一人が、積まれたキャンバスの山にぶつかって、それを崩してしまいます。ガラガラガッシャーン!

集中して作業をしていたダ・ヴィンチは、すっかり心を乱されてしまい、荒々しい言葉を少年に投げつけ、絵筆を床に叩きつけました。哀れな少年は泣きながらアトリエから逃げ出してしまいました。他の少年たちも彼の後を追って行きます。

一人になったダ・ヴィンチは、心を落ち着けてキャンバスの前に立ち、再びイエス・キリストの顔をそこに描き出そうとしました。ところが、まったく創作意欲がわいてきません。それどころか、彼の心がチクチクと痛みました。

彼の心に聖書の言葉が響いてきました。「昔の人々に、『人を殺してはならない。人を殺す者はさばきを受けなければならない』と言われたのを、あなたがたは聞いています。しかし、わたしはあなたがたに言います。兄弟に向かって腹を立てる者は、だれでもさばきを受けなければなりません。兄弟に向かって『能なし』と言うような者は、最高議会に引き渡されます。また、『ばか者』と言うような者は燃えるゲヘナに投げ込まれます。
だから、祭壇の上に供え物をささげようとしているとき、もし兄弟に恨まれていることをそこで思い出したなら、供え物はそこに、祭壇の前に置いたままにして、出て行って、まずあなたの兄弟と仲直りをしなさい。それから、来て、その供え物をささげなさい」(マタイ5:21-24)。


ダ・ヴィンチは外に飛び出すと、先ほどの少年を捜し回りました。そして少年を見つけると言いました。「さっきはごめんね、あんなに怒鳴ったりして。君がしたことよりも、私のしたことはもっとひどかったよ。イエスさまが私を赦してくださったように、君もどうか私のことも赦して欲しい」。

そうして、ダ・ヴィンチは少年と一緒にアトリエに戻りました。すると、ダ・ヴィンチの絵筆の先からは、慈愛と栄光に満ちたキリストの顔が自然に描き出されていったのです。二人はそれを見てにっこりと顔を見合わせました。

私たちの心に破壊的な感情があるなら、イエスさまにそれをきれいに片づけていただきましょう。

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