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ショートエッセイ:中通りコミュニティ・チャーチ

調子の狂ったハープシコード

(2010年5月9日)

日本でも人気の作曲家ベートーベンは、25才の頃から耳鳴りに悩まされるようになり、45才の頃にはほとんど聞こえなくなっていたといいます。これは、音楽家としては致命的とも言えるハンディですが、そのような中で、「田園」「第九」などの素晴しい音楽を次々と生み出していきました。

ある時、ベートーベンは、人々の前でハープシコード(チェンバロ。ピアノに似た楽器)を演奏しました。ところが、このハープシコードは、調律が全く狂っていました。ですから、周りで聞いていた人たちには、調子はずれの変な音にしか聞こえません。

ところが、演奏しているベートーベンは、目からぽろぽろと感動の涙をこぼしているではありませんか。彼の耳には楽器の音は聞こえていませんでした。しかし、彼の心の中には、楽譜を通してすばらしい音楽が響いていたのです。

私たちは調律の狂った楽器のように、はずれた音しか奏でられない者かも知れません。しかし、神さまは、私たちの中に素晴しい音楽を見出してくださっています。

それだけではありません。少しずつ、少しずつ、私たちを調律し、実際の音も整えてくださいます。

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