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ショートエッセイ:中通りコミュニティ・チャーチ

一本足

(2010年10月24日)

スウェーデンのゴスペル・シンガー、レーナ・マリアさんをご存じでしょうか。

レーナさんは、生まれつき両腕がなく、左脚も右脚の半分の長さしかありません。しかし、ゴスペル・シンガーとして世界的に活躍しているだけでなく、障害者の世界水泳選手権でも、何個も金メダルを獲得するほどの名選手でした。

何よりも感動するのは、その底抜けの明るさです。しっかりと自立しながら、妙な突っ張りもひがみも悲壮感もない、実に魅力的な女性です。

その秘密について、彼女はこう語っています。「私の両親は、私を障害者レーナ・マリアではなく、一人の娘レーナ・マリアとして育ててくれました。そして、いつも『あなたは価値ある者。私たちは、あなたをとても愛している』と言って育ててくれました」。

小学生の頃、水泳のリレーに参加したレーナさんは、とても良い成績を収めました。すると、嫉妬した友だちが、彼女に「よう、良くやったな、一本足」とからかいました。周囲はざわつきましたが、当のレーナさんはにっこり笑って、「ありがとう、二本足」と答えました。そこで、もうレーナさんのことをからかう友だちはいなくなったそうです。

レーナさんは、熱心なクリスチャンであるご両親から、いつも「あなたは価値ある者。その体は神さまからの特別なプレゼント」と言われていました。ですから、まさか「一本足」が自分を馬鹿にして言った言葉だとは思いもしなかったのです。

人は、無条件の愛で包まれ、その存在をそっくり受け入れられるとき、こんなにも生き生きと輝くことができるのですね。

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