(2010年11月28日)
ビクトール・フランクル(1905-1997)は、ロゴセラピーという精神療法を開発した精神科医です。ロゴセラピーの理念の一つは、「私たちはどんな状況に置かれたとしても、それに対する自分の反応を決定する自由があり、それは自分以外の何者によっても奪い去られることはない」というものです。「私たちが『生きる意味があるか』と問うのは、はじめから誤っているのです。つまり、私たちは、生きる意味を問うてはならないのです。人生こそが問いを出し私たちに問いを提起しているからです。私たちは間われている存在なのです。私たちは、人生がたえずそのときそのときに出す問い、『人生の問い』に答えなければならない、答を出さなければならない存在なのです。生きること自体、問われていることにほかなりません。私たちが生きていくことは答えることにほかなりません。そしてそれは、生きていることに責任を担うことです。こう考えるとまた、おそれるものはもうなにもありません。どのような未来もこわくはありません」(「それでも人生にイエスという」より)。どんな状況の中にあっても、私たちは幸せか不幸せかを自分で決めることができる、ということですね。