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ショートエッセイ:中通りコミュニティ・チャーチ

電池が切れるまで

(2013年3月31日)

長野県立こども病院には、長期入院の子どもたちのためのための院内学級があります。「電池が切れるまで」とは、院内学級の子どもたちの文集のタイトルです。

文集の最初に載せられている詩を書いたのは、宮越由貴奈ちゃんという小学4年生の女の子です。「命」というタイトルです。
命はとても大切だ
人間が生きるための電池みたいだ
でも電池はいつか切れる
命もいつかはなくなる
電池はすぐにとりかえられるけど
命はそう簡単にはとりかえられない
何年も何年も
月日がたってやっと
神さまから与えられるものだ
命がないと人間は生きられない
でも
「命なんかいらない。」
と言って
命をむだにする人もいる
まだたくさん命がつかえるのに
そんな人を見ると悲しくなる
命は休むことなく働いているのに
だから 私は命が疲れたと言うまで
せいいっぱい生きよう
由貴奈ちゃんは、5歳の時に神経芽細胞腫と診断され、以来11才になるまで、抗ガン剤治療、腎臓摘出手術、骨髄移植など、大変つらい治療を受け続けました。また、昨日まで生きていた友だちのベッドが、今日は空になる。そんな、死と隣り合わせの環境に置かれていたからでしょうか、由貴奈ちゃんは命の大切さを誰よりもよく知っていました。

由貴奈ちゃんは、夜中に静かに泣くこともあったようですが、しかし、他の子どもたちが泣いていると、自分のつらさも忘れてすぐに慰めてあげたそうです。命の大切さを知った人は、他の命に対しても優しくなれるのでしょう。

この詩を書いた4ヶ月後、由貴奈ちゃんは亡くなりました。この詩の通り、精一杯命を生き切って。わずか11年。しかし、その人生のなんと大きく、広く、また重いことでしょう。

あなたの命も大切です。神さまが与えてくださった、大切な大切な宝です。だから、大切に大切に育てていきましょう。神さまの元に帰る、その日まで。

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