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ショートエッセイ:中通りコミュニティ・チャーチ

役に立たない質問

(2014年10月26日)

先日、学校の保護者向けの講演で、「この世で最も役に立たない質問」についてお話しさせていただきました。

その質問とは、「なぜ?」「どうして?」「なんで?」です。もちろん、科学や哲学の世界で問われる「なぜ」には、無限の価値があります。しかし、人間関係の中で問われる「なぜ」は、役に立たないどころか有害ですらあります。

「どうして、すぐに返事しないのよ」
「なぜ、こんなことをやったんだ」
「なんで、いつもそういうこと言うの?」
「お前って奴は、なんだって、そんなに準備がのろいんだ」

さて、あなたなら、これにどんなふうに答えますか? 学問的「なぜ」と違って、人間関係で問われる「なぜ」には、答えが出ないことが多いのです。それとも、「なぜって、私がろくでもない人間だからですよ」とか、「なぜって、あなたのことが嫌いだからですよ」とでも答えたらいいのでしょうか。もちろん、そんな答えをすれば、よけい面倒なことになるでしょう。

要するに、「なぜ」は、相手を責めるための言葉なのです。だから、そう問われた方は、嫌な気分にしかなりません。

もしも、相手の言動によって困ったのであれば、「すぐに返事しないから、無視されたと思って、悲しい気持ちになったわ」とか「君がそんなことをして、期待していただけにがっかりしたよ」。と、自分の困った気持ちをストレートに表現した方が、よっぽど相手はあなたの困った気持ちを理解し易いでしょう。

もしも「なぜ」と問うとすれば、相手に言い訳を許すつもりで問わなければなりません。「きっと、そうせざるを得なかった理由があると思うんだ。良かったら聞かせてくれないかな?」という思いを込めて、「どうして?」と尋ねるのなら、この質問もまた無限の可能性を持つでしょう。

聖書の神さまは赦しの神です。あなたにもお尋ねになります。「どうして?」と。もちろん、あなたを赦すために。

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