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ショートエッセイ:中通りコミュニティ・チャーチ

ノックアウト

(2015年4月26日)

伝道者仲間のY先生が、関わっておられる男性(Tさんということにしておきましょう)についてお話しくださいました。Tさんには息子さんがいて、精神的な課題を持っておられます。そこで、Y先生がカウンセリングを引き受けたのが、Tさんとの関係の始まりでした。

息子さんはぐんぐん回復していかれ、教会の集会にも喜んで参加しておられます。間もなく、洗礼をと考えておられるようです。しかし、お父さんであるTさんは、息子に関わってもらっている義理から、時々は集会に顔を出すのですが、福音には心を閉ざしたままです。

Tさんは、若い頃はプロのボクサーだったそうです。Y先生はおっしゃいました。「ノックダウンは何度もするんだけどね。ノックアウトしないんだよ」。

何か、自分のことを言われているような気がしてきました。ノックダウンはする。つまり、何度も落ち込む。でも、ノックアウト、全面的に神さまに人生をおゆだねすることは、なかなかしようとしない。そうすれば楽だと頭では分かっていても、心の中では「私は自分の力でがんばる。自分がやったんだというプライドが欲しい」。そう思ってしまうのです。

Y先生の話を通して、私自身、ある問題について、いつの間にか自力我力で解決しようとしていたことを教えられ、私は全面降伏することにしました。しかし、これが、なかなか難しい。「全面降伏します。私の力で」と、またも私は自力我力でがんばってしまっていました。

考えてみれば、ノックアウトは、しようと思ってできるものではありませんものね。イエスさまの愛のパンチを受けて、気がついたら神さまの腕の中に倒れ込んでいる。そういうことなのかもしれません。

というわけで、ゆだねることもまた神さまの力なんだと思わされ、「ゆだねるとかゆだねないとか、それも私の手に負えませんから、お任せします」と祈りました。すると、不思議な平安が私の心を包みました。

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