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ショートエッセイ:中通りコミュニティ・チャーチ

闇の中の光

(2015年5月3日)

福島県に入水洞という鍾乳洞があります。すぐそばにあるあぶくま洞は、中が広々していて、歩いて楽に見学できますが、入水洞は大変狭く、人がすれ違うのも大変です。しゃがんだり四つんばいになったりしながら通るところもたくさんあります。

ほとんど体の幅くらいしかない隙間を通るところもあり、恰幅の良い男性が、途中でつかえて先に進めないでいました。また、奥の3分の2は冷たい地下水が15センチほどの深さで流れており、半ズボンと草履に着替えて入らなければなりません。見学というより、探険という名がふさわしいひとときでした。

そして、入り口近くまでは電気が来ていますが、奥には全く照明がありません。ですから、自分でランタンなどを持ち込むか、受付でろうそくを買って入ることになります。

奥まで入ったあと、試しに明かりを全部消してみました。その時、真の闇というものを初めて経験したように思います。闇夜でさえ空気が太陽光を乱反射して空は薄ぼんやりとしていますが、 明かりを失った洞窟の中は上も下も全くの闇でした。一瞬、上下の感覚さえも失ってしまい、そのまま闇の中に自分がとけ込んでしまうような恐れを味わいました。

急に、闇の中に光が差しました。岩の陰から後続の人が現れたのです。その手にあったのは、小さなろうそくが1本。しかし、とたんに周りの岩肌も、自分の手足もくっきりと浮かび上がりました。

ヨハネの福音書1:4-5に、こう書かれています。「この方にいのちがあった。このいのちは人の光であった。光はやみの中に輝いている。やみはこれに打ち勝たなかった」。この方とは、イエス・キリストのことです。イエスさまをお迎えした時、私たちの心の中にある闇は追い払われます。

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