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ショートエッセイ:中通りコミュニティ・チャーチ

万年床

(2016年4月10日)

大学時代の私は、前半の2年間は寮で、そして後半の2年間は下宿で生活をしていました。寮では結構厳しく生活指導がなされていたので、毎朝布団をたたんでいたのですが、寮を出てからは面倒になってきて、やがて万年床状態となりました。

するとどういうことになるかというと、帰るとすでに布団が敷かれている状態なのです。疲れていたりすると、そのまま勉強もしないで布団に潜り込んでしまうということもありました。また、朝一度起き上がっても、敷かれたままの布団が私を呼びます。「おいで〜、おいで〜。寝ちゃいなよ。気持ちいいよ〜」。私はその誘惑に負けて、「今日の授業は、自主休講」とか言いながら、再び布団に潜り込んでしまいます……。

これではいかん。このままでは単位を失ってしまう! 意を決して、私は布団の上げ下ろしを再開しました。そして、無事に卒業することができたのです。ふう。

イエスさまは、ベテスダの池にいた38年間病気だった人に、「立って、床を取り上げて歩きなさい」とおっしゃいました。いやすだけだったら「立って歩きなさい」だけでも良さそうなものです。なぜ「床を取り上げて」なんておっしゃったのでしょう。

聖書をよく読んでみると、この人は自分の罪のために病気になってしまったようです。イエスさまは、前の生活に戻らないようにとおっしゃったのです。いつでも前の生活に戻れるという思いでイエスさまに従うのではなく、イエスさまに従い通そうという思いで従ってきなさいということです。

私は不完全な人間ですから、なかなか従いきれないでイエスさまを裏切ることばかりですが、それでも再び布団から這い出し、布団をたたみ直して、押し入れにしまおうとします。そんな私のことを、イエスさまは決して叱らないし、むしろ喜んでくださっているのです。イエスさまは、恵みの主ですから。

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