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ショートエッセイ:中通りコミュニティ・チャーチ

温かい言葉

(2016年9月4日)

先日、保育士の皆さんに講演をさせていただく機会がありました。講演の最後に、皆さんに目を閉じていただいて、私が「今まで本当によくがんばってきましたね」「本当は寂しかったんですよね」「あなたは宝物です」「幸せになっていいんですよ」「生まれてきてくれてありがとう」などと語らせていただきました。講演後、何人かの方とお話ししましたが、皆さん異口同音に「最近、優しい言葉をかけてもらうことがなかったことに気づかされた」とおっしゃっていたのが印象的でした。

援助職にある方、あるいは親、指導者など、他の人を助ける立場にある方は、ともすると自分を大切にするという点を後回しにしがちです。しかし、私たちは自分が温められて、初めて他の人を温めることができます。自分が温められないでする援助は、あのマルタ(ルカ10章)のように、いつの間にか「自分ばかりがどうして」とイライラしたり、独りよがりの押しつけになったり、エネルギーが枯渇して燃え尽きてしまったりするようになるかもしれません。

私が講演で語った言葉は、誰か特定個人をターゲットにしたものでも、何か特別な意味を込めたわけでもありません。そのような「ただ語られただけの言葉」でも、あんなに心が温められた気がするのです。まして、自分個人に対して、心を込めて語られる温かい言葉を聞くなら、人はどんなに喜びや平安を感じることでしょうか。

家庭や職場や教会などで、お互いに相手を叱咤激励するだけでなく、相手の存在を喜んでいることが分かるような、そんな温かい言葉をかけ合えたらどんなにすばらしいでしょうか。そして、他の人からたとえそういう言葉かけをもらえない環境にいらっしゃるとしても、自分で自分に温かい言葉をかけてはどうでしょうか。「よくやっているよ」「大丈夫だよ」「ここにいてくれてありがとう」……。

そして、聖書や祈りを通して、あなたに対する神さまの温かい言葉を聴くことができたら、どんなにすばらしいでしょうか。

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