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ショートエッセイ:中通りコミュニティ・チャーチ

沈黙の行

(2016年10月23日)

2人の医師が話をしています。

「さっきから、男の人が君のことを、すごく怖い顔でにらんでいるよ。手術でミスしたんじゃないだろうね?」
「いや、逆だよ。手術は大成功だったんだ」。
「じゃあ、なぜ?」
「あの人の奥さん、声帯を痛めてしゃべれなかったんだけど、手術でまたしゃべれるようになったんだよ」。

私たちは、必要なことは語らず、必要ないことをついついしゃべりすぎているかもしれません。人に対してだけではなく、神さまに対してもそうかもしれません。

格好のいい祈りはできるけれども、神さまに従いたくないこととか、誰かに対して激しく怒っていることとか、そういう否定的な内容については、確かにそう思っているにも関わらず、なかなか神さまに打ち明けられないものです。本当は正直に申し上げて、助けを求めた方がずっといいはずなのに……。

また、一方的に神さまに話すことはするけれど、口を閉じて、神さまの語る声には意識を向けられないこともあります。修道院では「沈黙」が一つの修行として行なわれました。それは、そうすることで精神を鍛えるというよりも、神さまの声を聴くという、信仰者としての必須の姿勢を訓練するためでした。

語る祈りと同じ時間、黙って神さまのことを考える練習をしましょう。

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