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ショートエッセイ:中通りコミュニティ・チャーチ

オーケストラ全体が愛されています

(2017年3月12日)

前回のショートエッセイから、オーケストラつながりで。

以前受講したセミナーで、講師が「バイオリンがオーケストラなのではない」とおっしゃったのが印象に残っています。バイオリンは数も多く、音色も目立ちますが、ファゴットやチューバのようなどちらかというと裏方を担当するような楽器たちだって、ないと困る大切なパートです。

私たち人間もオーケストラのようなもので、目立つ性格や感情以外にもたくさんの性格や感情があって、どれも大切な自分の一部ですから、無視するのは良くありません。そんな話を、こちらの「スクールソーシャルワーカーだより」で書かせていただきました。

これは信仰についても同様です。以前、知り合いの牧師夫人が「最近の若いクリスチャンには『間』がない」とおっしゃいました。信仰バリバリで常に「ハレルヤー!」って態度か、そうでなければまるっきり礼拝に姿を見せなくなって、一般の人たちと全く同じ生活を送るか、そのどちらかだというわけです。

もちろん、本当は『間』はあります。クリスチャンとして誠実に神さまに仕えたいと思いながら、一方で不安や疑問や反発や無力感や罪責感を抱え悩んでいるのです。しかし、それを認めようとせず、牧師や他のクリスチャンにも相談しようとしないので、だんだんつらくなって、やがてプチッと何かが切れ、突然礼拝式に現れなくなる……。その牧師夫人はそう嘆いておられました。

「ハレルヤ!」も「はい、喜んで従います!」も「神さま、あなたにお任せしておけば大丈夫です!」も、私というオーケストラの一部なら、「本当にイエスさまに信頼して大丈夫なんだろうか」という疑いや、「うわっ、この命令には従いたくないなぁ」や、「すべての罪が赦されているというけれど、この私の過ちだけは赦されないんじゃないか」という思いも、私の一部です。それらも大切な自分の一部だと認めましょう。そして、そういう自分がいることをイエスさまに告白し、また教会の仲間たちに告白して祈りによって支えてもらいましょう。

どうか忘れないで。イエスさまは、あなたというオーケストラの中の、信仰的で正しいバイオリンだけを愛しておられるのではなく、すべてのパートを文字通り命がけで愛しておられるのだということを。

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