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ショートエッセイ:中通りコミュニティ・チャーチ

弱いときに与えられる力

(2019年2月24日)

小林富治郎さん(1852-1910)は、優れた事業家としてだけでなく、熱心なクリスチャンとしても知られています。人呼んで、「そろばんを抱いた宗教家」。

小林さんがクリスチャンになったのは、38歳の時です。あるとき、小林さんはキリスト教の講演会に出席しました。ところが、キリスト教に反対する若者たちが騒ぎを起こします。すると、控え室から大男が飛び出してきました。その人は柔道の指導者をしているということでしたから、きっと力尽くで若者たちを会場からつまみ出すだろうと小林さんは想像しました。

ところが、その大男は若者たちの前で頭を下げ、どうか静かにして欲しいと頼んだのでした。その弱い姿に本当の強さを見て感動した小林さんは、あの人に強さを与えておられるイエス・キリストを信じる決心をします。

その翌年、小林さん自身が、キリストから力を受け取る経験をしました。小林さんはマッチ製造の会社を始めましたが、洪水が起こり、工場が水浸しになって機械がダメになり、軸に使うためにストックしていた木材も全部流されてしまいました。全財産をこの事業に投入していた小林さんは、進退窮まってしまいます。そして、もうダメだ、自殺するしかないと思いつめます。

死を覚悟して橋のたもとに立ったとき、以前牧師から送られたはがきに書かれていた聖書の言葉が脳裏にひらめきました。「すべての訓練は、そのときは喜ばしいものではなく、かえって苦しく思われるものですが、後になると、これによって鍛えられた人々に、義という平安の実を結ばせます」(ヘブル12:11)。この言葉に奮起した小林さんは、自殺を思いとどまったばかりか、見事に事業を立ち直らせました。この会社が、やがて洗剤や歯磨きの製造販売で有名な企業、ライオンンとなります。

イエスさまは、あなたに最も必要な力を与え、強めてくださいます。

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