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ショートエッセイ:中通りコミュニティ・チャーチ

善きサマリア人の実験

(2019年7月21日)

1960年代の初頭、社会心理学者、ジョン・ダーリー(プリンストン大学)とダニエル・バトソン(カンザス大学)によってこんな実験が行なわれました。対象はプリンストン神学校に通う学生たちです。

この実験では、学生たちを大きく2つのグループに分けました。ひとつは授業でイエスさまの「善きサマリア人のたとえ」(ルカ10:25-37)について語らせるグループで、もう一つは卒業後の進路について語らせるグループです。そして、それぞれをさらに3つずつのグループに分けます。授業の終わりに講義後、学生たちに別の建物で授業を受けてもらうと言い、それぞれ次のように言うのです。
  1. あ、遅刻だ。もっと早くここを出てもらわなければならなかったのに。急いで向かってくれたまえ。(大至急グループ)
  2. 助手が準備を終えて待っているはずだから、すぐに向かってくれたまえ。(至急グループ)
  3. 準備はまだ終わっていないはずだが、そろそろ向かってくれたまえ。(余裕グループ)
そして、道の途中で具合の悪そうな人がうずくまっているのを見せます。さて、学生たちはこの人を助けようとするだろうか……そういう実験です。

結果は、直前に卒業後の進路について語ったグループは、29%の学生しかその人を助けようとしなかったのに対し、善きサマリア人のたとえについて語ったグループは、53%が助けを申し出ました。そして、時間的な余裕による違いはさらに明確です。余裕グループでその人を助けたのは63%、至急グループでも45%だったのに対し、大至急グループではわずか10%。その中には、苦しんでいる人をまたいで教室を目指した学生もいました。

神さまの教えを実践できるようになるため、聖書に触れ続けて意識し続けることの他に、日頃から時間的な余裕を持った生活ができるよう工夫することが必要ですね。

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