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ショートエッセイ:中通りコミュニティ・チャーチ

何もかもうまくいかない朝

(2020年1月12日)

ある人が宝くじを買いましたが、残念ながら外れてしまいました。がっかりしながらこう思いました。「もし宝くじが当たって1億円手に入れることができたら、こんなふうに毎日苦労して仕事をしなくてもすむのに」。そして、次こそは宝くじが当たるようにと神さまに祈りながら眠りにつきました。

すると、彼は宝くじが当たって1億円を手にする夢を見ました。それはただの夢でしたが、彼は目を覚ましてからも喜びと興奮を抱き続けました。これは幸先がいい。きっと神さまは私の祈りを聞いてくださって、そのしるしとしてあの夢を見させてくださったのだ。そう考えたからです。

そして、いつものようにシャワーを浴びようとしましたが、どういうわけかお湯が出ません。しょうがないのでシャワーをあきらめて新聞を取りに行きましたが、新聞が来ていません。しょうがないので朝食を食べようとしましたが、停電でコーヒーメーカーもトースターも作動しません。仕方なく空腹のまま職場に向かおうとしますが、待てど暮らせどバスがやってきません。

途方に暮れたその人は、たまたま近くを通りかかった人に愚痴をこぼすと、その人はこう答えました。「ああ、ご存じなかったのですね。実は昨日全ての国民に1億円の宝くじが当たったので、みんな働かなくなってしまったのですよ。もちろん、水道局の人も新聞社の人も電気会社の人もバス会社の人も」。

その瞬間、彼は再び目を覚ましました。それもまた夢だったのです。その人は、「神さま。私が1億円当たらなかったことを感謝します!」と叫びました。

私たちが考える幸せと、神さまが考える幸せは時に全く違いますね。ですから、「すべてのことにおいて感謝しなさい」(第1テサロニケ5:18)。

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