ショートエッセイ：中通りコミュニティ・チャーチ

（2020年2月9日）

刑務所で受刑者に対して徳性を育てる働きをする教誨師（きょうかいし）という方々がいらっしゃいますが、牧師・神父や僧侶などの宗教家がその働きをになっています。そんな教誨師を務めた牧師の話です。

この日、教誨師が面談したのは死刑囚でした。教誨師は彼に言いました。「あなたは良い人ですね」。すると死刑囚は泣きながら言いました。「私は欲のために人を殺した極悪人です。どうして私が良い人でありましょうか」。

すると教誨師が答えます。「あなたは神さまによって神さまに似せて作られた神さまの大切な作品です。だから、本当のあなたは良い人です。あなたが完全に悪い人なら、自分のしたことをそんなにも後悔することはない。罪は悪いことです。しかし、神さまは罪人である私やあなたをそのままの姿で愛してくださっています」。

その日、その死刑囚はイエス・キリストの福音を信じ、罪の赦しを受け取りました。間もなく死刑が執行されましたが、彼は天国に迎え入れられることを確信しながら刑に臨みました。