ショートエッセイ：中通りコミュニティ・チャーチ

（2020年3月29日）

通称「カリギュラ効果」と呼ばれる心のカラクリがあります。この名前は、1980年に公開された映画「カリギュラ」に由来します。古代ローマ帝国の皇帝カリギュラを主人公とする物語ですが、過激なエログロシーンが目白押しのため、アメリカのボストン市では市内上映禁止を決定しました。すると、多くのボストン市民はかえって興味をそそられて、わざわざ近隣の町に出かけてこの映画を観たため、この映画の大ヒットに貢献することになってしまったのです。

人は禁止されると、かえってそれをしたいという思いを駆り立てられる。そういう心のカラクリを「カリギュラ効果」と呼びます。

そのことを使徒パウロはこのように表現しています。「罪は戒めによって機会をとらえ、私のうちにあらゆる欲望を引き起こしました」（ローマ7:8）。パウロは、人は神さまの命令を守ることによっては神さまに認めていただけるほどにきよくなることはできないということを、後の時代の人々がカリギュラ効果と呼ぶ現象を例に挙げて表現したのです。

ですから、私たち人間が神さまに受け入れられるためには、神さまからの一方的な赦しと一方的な祝福によらなければなりません。それを聖書は「恵み」と呼びます。恵みにより、イエスさまは私たちの身代わりとして十字架にかかり、死んで葬られ、3日目に復活なさいました。それをただ信じるだけで、私たちは罪を赦され、神さまの愛する子どもとなり、永遠の祝福をいただくことができます。

罪が分からないとおっしゃる方。試しに、聖書の命令の一つでいいので、それを本気で徹底的に守ってみてください。きっと、イエスさまによる一方的な赦しが必要だということを実感なさるでしょう。