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ショートエッセイ:中通りコミュニティ・チャーチ

恐れ多い

(2020年7月19日)

戦時中、国に都合の悪い思想を国民が持たないように取り締まる特別高等警察(略して特高警察)が活発に活動していました。聖書に忠実なキリスト教会の牧師や信徒たちも、監視や弾圧の対象でした。

ある教会が公の礼拝をささげているとき、監視のために会堂にいた特高警察の警官が、説教を遮って牧師に質問しました。「お前たちは、いったい天皇陛下とキリストと、どちらが偉いと思っているのか?」 すると、牧師は一瞬心の中で聖霊さまの導きを祈り求めた後、静かにこう答えました。「そのようなことは、恐れ多くて口にすることすらはばかられます」。

もちろん牧師は、「キリストは神であり世界の王なのだから、有限な人間でありローカルな一国家の君主に過ぎない天皇と比較することさえできないくらい偉い」という意味で答えたわけですが、特攻警察官は「なるほど、その通りだ」と言って会堂を出て行ったそうです。彼は、牧師が天皇の方が偉いと認めたと勝手に解釈し、勝手に納得して出て行ったわけです。

イエスさまは弟子たちに約束なさいました。「また、人々があなたがたを、会堂や役人たち、権力者たちのところに連れて行ったとき、何をどう弁明しようか、何を言おうかと心配しなくてよいのです。言うべきことは、そのときに聖霊が教えてくださるからです」(ルカ12:11-12)。

現代の私たちは、特高警察と対峙するような場面に遭遇することはなかなかないでしょうが、それでもどう答えたらいいんだろうかというようなストレスフルな場面には遭遇しますね。そんないざというときに聖霊さまの導きをしっかりと感じ取ることができるように、普段からたゆまずイエスさま、父なる神さま、聖霊さまとの交わりを深めておきたいものです。すなわち、礼拝や祈りや賛美や聖書の学びをコンスタントに行ないましょう。

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