ショートエッセイ：中通りコミュニティ・チャーチ

（2020年8月30日）

ある町に、キリスト教会の牧師とユダヤ教のラビが隣同士で住んでいました。彼らは、特に角を突き合わせることなく平和に暮らしていました。あるとき、ラビの車が泥だらけで駐車場に置いてあるのを見た牧師は、ラビが出かけている間にきれいに洗車してやりました。すると翌日、牧師はラビが牧師の車のマフラーをのこぎりで切り取っているのを目撃します。「何をするんですか」と咎めると、ラビは言いました。「昨日、あなたが私の車に洗礼を授けてくれたので、今日はお返しに私があなたの車に割礼を施そうと思って」。

割礼とは、ユダヤ人の男子が生まれて8日目に、男性器の包皮の一部を切り取る儀式です。それは、生まれた子どもが神の民ユダヤ人だということを表しています。それはもちろん本人の信仰の表現ではなく、両親の信仰の表現です。一方、洗礼は本人の信仰の表現として行なわれます（現在、幼児洗礼を行なう教会もありますが、聖書の中に出てくる洗礼はすべて大人が自分の意思で受けています）。

人は洗礼を受けたから救われるのではなく、イエスさまの十字架と復活によって自分の罪が赦され、神さまの子どもとされたということを信じた人が、その信仰を公に表明し、記念として受けるものです。もし、イエスさまを信じていらっしゃるのに洗礼を躊躇していらっしゃる方がおいでなら、自分なんかに受ける資格があるのだろうかと心配しないで、ぜひ受洗したいと牧師に申し出てください。