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ショートエッセイ:中通りコミュニティ・チャーチ

半世紀の祈り

(2020年9月20日)

19世紀のイギリスで活躍した牧師の一人に、ジョージ・ミュラーという人がいます。当時のイギリスでは産業革命のおかげで企業家たちは潤っていましたが、その一方で経済格差が広がって貧しい生活を余儀なくされた人たちがたくさんいて、子どもを育てられないで捨てる人たちも現れました。そのため、イギリスの町々には孤児たちがあふれていました。ミュラーはそんな彼らを引き取って育てるため、1836年から合計5つの孤児院を建ててそれを経営しました。

ミュラーの孤児院経営の方針は、世俗に頼らず、ただ神さまにのみ信頼するというものです(フェイス・ミッションと呼ばれています)。彼の武器は、貴族やお金持ちとの人脈ではなく祈りでした。

ミュラーによれば、自分が祈りを捧げて、その日のうちに答えが与えられた経験が、少なくとも3万回あったそうです。

たとえば、子どもたちに与えるパンが一つもないのに、食前の感謝の祈りを捧げていたら、パン屋が運送上のトラブルで焼いたパンを町に運べなくなったから、せっかくなら子どもたちに食べてもらおうと思ったと言ってたくさんのパンを持ってきてくれたというような経験をたくさんしています。

しかし、すぐに答えられた祈りばかりではありません。1844年の11月、ミュラーはまだ救われていない5人の友人のために祈り始めました。それ以来、旅をしているときも、病で伏せっているときも、説教依頼が立て込んでいるときも、毎日5人のために祈り続けました。

最初の1人が救われたのが18ヶ月後でした。2人目の救いはそれからさらに5年かかりました。3人目が救われたのは、2人目が救われてから6年後でした。あとの2人はなかなか救われず、長い年月が経ちました。そして、祈り始めて54年後、1898年にミュラーが亡くなる直前に4人目が救われ、5人目はミュラーが亡くなった直後に救われたそうです。

神さまは私たちの祈りに対して、必ず最もふさわしい時に最もふさわしい答えを与えてくださいます。

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