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ショートエッセイ:中通りコミュニティ・チャーチ

あの夜の夢と祈り

(2020年9月27日)

Aさんは、同じ教会のBさんを見るとイライラしていました。聖書を真面目に勉強しているとは思えないし、実際に生活も聖書の教えからかけ離れているし、性格がきついし、よく約束を破るし、夫や子どもたちに対して暴言吐きまくりだし……。そんなわけで、教会でBさんを見かけるといやな気持ちになっていました。

ある夜、夢を見ました。神さまにBさんのイヤなところ、ダメなところ、ひどいところを訴える夢です。そうしているうちに別のイメージがわいてきました。十字架にBさんが釘付けになり、Aさんが太い釘をBさんの手首にガンガン打ち込んでいるイメージです。すると、だんだんBさんの姿が変わってイエスさまの姿になりました。Aさんは鬼の形相で、イエスさまを釘付けにしていました。そして、さらに十字架の上の人の姿が変わり、今度はAさんの姿になりました。

そこでハッと目が覚めました。自分も赦された罪人に過ぎないのに、まるで神さまででもあるかのようにBさんを心の中で断罪していた自分だったということに気づかされ、これは大変な傲慢だったと思わされました。と同時に、そんな傲慢な自分にもかかわらず、イエスさまは私のために十字架にかかってくださったし、こうして私の成長をじっくりと見守り、見捨てないでいてくださっているということが、うれしくてたまらなくなりました。

そこで、Aさんは暗闇の中でひざまずき、悔い改めと感謝の祈りを捧げます。そして、さらに祈りました。「あなたが不完全な私を愛と恵みの目でご覧になっているように、私もBさんを大切に思うことができるようお助けください」。

それ以来、AさんはBさんにイライラすることがほとんど無くなり、むしろBさんと積極的に話をするようになりました。たまにはイラッとすることはありますが、そのときはいつもあの夜の夢と祈りを思い出し、悔い改めて再出発します。こうして二人は仲良くなっていきました。そればかりでなく、Bさんの生き方もだんだんと変わっていきました。

「私たちは愛しています。神がまず私たちを愛してくださったからです」(第1ヨハネ4:19)。

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