ショートエッセイ：中通りコミュニティ・チャーチ

（2020年11月1日）

ある全寮制神学校の校長先生の話です。学生たちが夜な夜なラーメンを食べに無断外出しているという話を耳にした校長先生は、門限が過ぎた時間に庭をパトロールしました。すると、高い塀のそばに踏み台が置かれているのを発見します。早速、それを撤去した校長先生はふと考えました。「戻ってきた学生たちは、ここに踏み台があるつもりで飛び降りるだろう。もしかしたら足をくじいたり骨折したりしては大変だ」。

ところが、ちょうどその時に外から数人の足音が聞こえてきました。学生たちが帰ってきたに違いありません。もう踏み台を持ってくる暇がありません。そこで先生は自らその場所にうずくまって踏み台代わりになります。そして、学生たちが次々と先生の背中の上に飛び降りてきました。

後に牧師となる学生たちは、知識としての神学だけでなく、校長先生のこの時の行動を通して大切なことを学ぶことになりました。それは、イエスさまが教えてくださった真理です。

「あなたがたも知っているとおり、異邦人の支配者たちは人々に対して横柄にふるまい、偉い人たちは人々の上に権力をふるっています。あなたがたの間では、そうであってはなりません。あなたがたの間で偉くなりたいと思う者は、皆に仕える者になりなさい。あなたがたの間で先頭に立ちたいと思う者は、皆のしもべになりなさい」（マタイ20:25-27）。