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ショートエッセイ:中通りコミュニティ・チャーチ

大きな真珠

(2021年2月14日)

アメリカからインドに派遣された宣教師が、真珠取りのおじいさんと出会い、2年に渡ってあれこれとおじいさんの力になってやりました。おじいさんは心を開き、やがて宣教師が語る福音(自分の罪を赦すためにイエスが十字架にかかり、死んで葬られ、3日目に復活したこと)にも耳を傾けるようになりました。ところが、長年「努力して神に認められることによって救われる」と信じてきたおじいさんは、福音を信じるだけで救われるという教えにどうしても納得いきませんでした。

ある日、訪ねてきた宣教師におじいさんは言いました。「これまで話したことがありませんでしたが、ワシには一人息子がいました。素晴らしい真珠取りでしたが、あるとき大きな真珠を見つけて深く潜りすぎたために死んでしまったのです。そのとき手にしていたのがこの真珠です」。そして、それはそれは大きな真珠を取り出すとこう言いました。「これから巡礼の旅に出ようと思います。年も年ですし戻ってこられるかも分かりません。そこで、大切な友だちである先生に、ワシがずっと大切にしてきたこの真珠をプレゼントします」。

宣教師は言いました。「こんな大きな真珠は初めて見ました。こんな素晴らしいものをただでいただくわけにはいきません。1万ドル支払いましょう。いや、1万5千ドル。それでも足りないなら、残りは働いて支払います」。おじいさんは、「これは贈り物として差し上げるので、代金は必要ない」と言いましたが、宣教師はあくまでも代金を支払うと言い張ります。そんなわけで、二人はしばらく押し問答を続けました。

ついにおじいさんは言いました。「分からない人ですね。この真珠は息子が命がけで手に入れたものです。いわば息子の命なのです。だからどんなに金を積まれようと手放すことはできません。ただで差し上げることしかできません!」

すると宣教師はにっこり笑って言いました。「おじいさん。私があなたの気持ちを無視して代金を支払うと言い続けたのと同じことを、あなたはこれまでずっと天の神さまに向かって言い続けてきたのですよ」。すると、おじいさんは目に涙を浮かべて言いました。「ようやく分かりました。なぜ救いがただなのかを」。そして、おじいさんはイエスさまを信じて救われました。

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