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ショートエッセイ:中通りコミュニティ・チャーチ

取って読みなさい

(2021年5月2日)

昔、ローマ帝国が地中海世界を支配していた頃、北アフリカにモニカという大変熱心なクリスチャンの女性がいました。ところが、その息子はまったくイエス・キリストを受け入れようとしません。それどころか、好き勝手な生活を続けていました。たとえば、結婚していない女性との間に子どもをもうけておきながら、別の女性と結婚するからといってその人を捨てたり、放蕩三昧の生活を続けたり、盗みを働いたり、異教の教えや哲学に傾倒したりしていました。

しかし、モニカは息子を救ってくださるように、あきらめずに熱心に祈り続けていました。そして、ついにその祈りが聞かれるときがやってきました。

どんなに欲望のままに生きても、また異教や哲学に没頭しても、それでもこの青年の心には満足も平安も与えられませんでした。そんなあるとき、青年の心に不思議な声が聞こえてきました。それは「取って読みなさい」という声です。

そのとき、たまたまそばに聖書が置いてありました。青年はそれを取って開きました。すると、ローマ13:13-14の言葉が目に飛び込んできました。「遊興や泥酔、淫乱や好色、争いやねたみの生活ではなく、昼らしい、品位のある生き方をしようではありませんか。主イエス・キリストを着なさい。欲望を満たそうと、肉に心を用いてはいけません」。

青年は、これは神さまからの招きであると、なぜだか分かりませんが理解しました。そして、神さまの前にこれまでの罪深い生活や、神さまを無視してきたことを悔い改め、彼の罪のために身代わりに死んで復活してくださったイエス・キリストを救い主として信じました。そうして、すっかり生まれ変わります。

この青年こそ、4世紀から5世紀にかけて活躍した神学者で、その後のキリスト教や西洋の思想に非常に大きな影響を与えたアウレリウス・アウグスティヌスです。

聖書は人間に与えられた神さまのメッセージ集です。そして、聖書は私たちを根本から造り変える力を持っています。もっともっと親しみたいですね。

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