ショートエッセイ：中通りコミュニティ・チャーチ

（2021年5月30日）

漫画家の「ゆめの」さんは、コミュ障（この場合は、人とコミュニケーションを取ることにかなり苦手意識を持っており、人間関係をうまく築けないと感じていること）に悩んでおられました。そして、自分のコミュ障を克服するため、書籍やネットいろいろ勉強してこられましたが、実践するとなるとなかなかうまくいきません。

ある日、「私だっていろいろ考えて努力しているんだ。だけど元からの気質の部分は、努力したってどうしても変わらないわけで……」とお母さんに愚痴ると、お母さんがぽつりと一言。「あんたって、いつも自分のことばかり考えてわね」。

実際、「こんなことを言ったらおかしいと思われるんじゃないか」とか「お節介だと思われないだろうか」とか、自分の不安な気持ちのことばかり考えて、相手のことを見たり、考えたり、もっと知ろうとしたりしていなかったなとゆめのさんは気づきます。お母さんの一言がきっかけで、ゆめのさん、ちょっぴり前に向かって進んで行けそうですね。

聖書の中にこのような言葉があります。「それぞれ、自分のことだけでなく、ほかの人のことも顧みなさい」（ピリピ2:4）。この姿勢を忘れると、「ですから、人からしてもらいたいことは何でも、あなたがたも同じように人にしなさい」（マタイ7:12）といういわゆる黄金律も、下手をすると「よけいなお世話」になってしまうかも知れません。

相手をよく見て、よく考えて、もっともっと知ろうと努めたいですね。