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ショートエッセイ:中通りコミュニティ・チャーチ

残日録

(2021年9月26日)

私は時代小説家の藤沢周平さんが好きです。その藤沢作品の中に「三屋清左衛門残日録」があります。仲代達矢さんと北大路欣也さんの主演で何度かドラマ化もされています。

「残日録」とは、妻に先立たれ、藩主の用人という重責を離れ、息子に家督を譲って隠居した老武士、清左衛門が書き始めた日記のタイトルです。これは「死ぬまでの残りの日を数える」という意味ではなく、「日残リテ昏ルルニ未ダ遠シ」という意味、簡単に言えば「おいらの人生、まだまだ終わりじゃないぜ」という思いで名付けたものです。

隠居当初、やることがなくなった清左衛門は鬱々としていました。しかし、30年ぶりに昔通っていた剣術道場や塾に通い始めたり、釣りの楽しみも覚えたりして充実した隠居生活になっていき、それと並行して友人である町奉行が持ち込んでくる事件の調べを手伝うようになります。やがて藩を揺るがす大事件の解決に関わるようになって……というのがこの小説の概要です。

実は、清左衛門が隠居を始めたのは52歳です。そして私、現在57歳。江戸時代ならとうに隠居している歳みたいです。しかし、神さまは私に様々なお手伝いの仕事を与えてくださり、それによって充実した日々をくださっています。「日残リテ昏ルルニ未ダ遠シ」です。 さて、明日はどんなワクワクする仕事が待っているでしょうか。

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