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ショートエッセイ:中通りコミュニティ・チャーチ

売るな

(2021年12月5日)

大正元年から浅草合羽橋商店街で営業している、料理道具専門店「飯田屋」は、使い勝手のよい道具がそろっているということで多くの顧客の心をつかみ、さまざまなメディアでも取り上げられています。昨日、6代目社長の飯田結太さんが取材されたテレビ番組を観ました(テレビ朝日系列「週刊ニュースリーダー」)。

今でこそ超人気店ですが、飯田さんが社長になってすぐの頃は、いろいろな問題がありました。まず、リーマンショックの影響で遠のいた客足を戻そうとして、周辺で最も安い商品を提供するようにしました。すると、質が下がったことでかえって常連客まで失ってしまいました。そこで、本当に使い勝手のよい商品を並べるようにして、顧客の信頼を取り戻し始めたのですが、今度は従業員がほとんど一斉に辞めてしまいました。

その原因は、飯田さんが数字至上主義で、従業員にもっと売上を上げるようかなり強い圧力を加えていたからだそうです。つまり、道具にこだわるようになった代わりに、今度は従業員まで道具にしてしまっていたからです。

ここで飯田さんはさらに方向転換します。営業の数値目標を撤廃し、「売るな」をモットーにしたのです。売上のノルマがあると、どうしてもそのお客さまに必要のない道具を売り込みたくなります。それではお客さまのためにならないし、従業員も働いて楽しくありません。

その後どうなったかと言えば、わずかに残ってくれた従業員たちが喜んで働くようになり、また顧客の信頼も得て、「売るな」をモットーとする前の4倍の売上が出るようになったのです。

カルトは「それを実行しないと神にさばかれる」と信徒を脅して、献金させたり、奉仕させたり、伝道させたりします。しかし、イエスさまは私たちを無条件で愛し、赦し、祝福された神さまの子どもにしてくださいました。その感動と喜びが、私たちクリスチャンの原動力です。恐怖や不安や罪責感や羞恥心ではありません。

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