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ショートエッセイ:中通りコミュニティ・チャーチ

ほんのちょっと世界を良くするリボン

(2022年1月16日)

学校の先生がクラスの生徒に、リボンを1本1本渡して言いました。「そのリボンを自分に良い影響を与えてくれた大切な人にプレゼントしてください。そうすることで世界を少しだけ良い方向に変えることができます。そしてプレゼントする際、今私が言った通りのことをその人に伝えてください」。

つまり、リボンが次々と人の手に渡り続け、そのたびに少しだけ世界が良い方向に変わるというのです。そのうちの1本のリボンが、次のような旅を経験しました。

生徒の一人が、自分の先輩にリボンを渡しました。この人は進路に関して良いアドバイスをしてくれたからです。感激したその先輩は職場の上司にリボンを渡しました。この上司は生徒の先輩を熱心に指導してくれているからです。

リボンを受け取って感激した上司は、家に帰ると息子の部屋に向かいました。この息子は反抗期で、2人の関係はあまり良くありません。それでもこの上司は息子にリボンを手渡して言いました。

「このリボンを、自分に良い影響を与えてくれた大切な人にプレゼントするよう言われて手渡されたんだ。それを私はお前に受け取ってもらいたい。お父さんはお前にいつも口うるさいことを言うけれど、お父さんの人生を一番豊かにしてくれているのは、お母さんを除けばお前なんだよ。お父さんとお母さんの元に生まれてきてくれてありがとう。愛しているよ」。

すると息子はポロポロと涙を流して言いました。「実はさっき遺書を書き終えたところだったんだ。今夜遅くに死のうと思って。だってお父さんが僕のことを愛してくれているって分からなくて、ずっとつらかったから。でも、もう遺書は必要ないね」。そして、2人は泣きながら抱き合いました。こうして世界がほんのちょっとだけ、良い方向に変わりました。

聖書には「神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに世を愛された」(ヨハネ3:16)と書かれています。「世」とはあなたのことです。神さまの愛を受け取ったあなたは、その愛のリボンを次の人に手渡してください。

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