ショートエッセイ：中通りコミュニティ・チャーチ

（2022年3月6日）

人間の心の動きの中に、「投影」と呼ばれているものがあります。これは、自分の中に認めたくない何か（欲求や性質など）があるとき、それを素直に認める代わりに、他の人がそれを持っているのだというふうに押しつける心の動きです。そうやって自分を守ろうとするのですね。

たとえば、

• 自分が臆病なのに、Aさんのことを臆病だと言って馬鹿にする。
• 自分が以前の過ちについて罪責感を抱いている（すなわち、自分で自分を責めている）のに、他の人の過ちをやたらに責めたくなる。
• 自分が周りの人を信用せず敵意を抱いているのに、みんなが自分を嫌っていると感じる。

などです。

実際、恋人がいる人たちに対する調査研究によると、異性に対して心を引かれる傾向が大きい人ほど、自分の恋人の浮気を疑っていたことが明らかになったそうです。投影は、自分を守る手段でありながら、放置しておくと他の人との関係に悪影響を及ぼしかねません。

聖書は教えています。「御子イエスさまは、この私の罪のために十字架にかかり、死んで葬られたけれど、3日目に復活なさった」と信じるだけで、本当に罪がすべて赦される。そして、私たちは神さまの子どもとされ、あるがままの姿で大切にされる。しかも永遠に、と。

その祝福を受け取った人は、自分の中の嫌な部分や過去の過ちを素直に認めやすくなります。なぜなら、唯一人を裁いて滅ぼすことのできるお方がそれをもはや責めず、罰しないとおっしゃってくださっているからです。

自分の中の好ましい部分も、嫌な部分もそのまま丸ごと認められるようになれば、投影が起こりにくくなります。そうすると他の人との関係も建設的なものになるでしょう。