ショートエッセイ：中通りコミュニティ・チャーチ

（2023年2月12日）

ソロモン王は、神さまによって与えられた知恵を用いて、イスラエル領土を史上最も広げ（この記録は今に至るまで破られていません）、繁栄させました。一方で、宮殿や新しい町の建設を次々と行ない、千人の妻を抱え、贅沢な暮らしをします。そのため、民は重税と労役に苦しみました。

ソロモンが亡くなると、跡を継いだレハブアムに対し、民は負担を軽くするよう願います。ソロモンに仕えた長老たちにレハブアムが相談すると、彼らは民の言う通りにせよと勧めました。ところが、レハブアムは彼らの意見を退け、若い家臣たちの進言に従って、自分は父より負担を重くすると民に宣言してしまいます。怒った民はレハブアムを王と認めず、北の十部族が独立してしまいます。こうして、繁栄したイスラエル王国は南北に分裂してしまいました（第１列王記12章）。

レハブアムは、おそらく偉大な父ソロモンや祖父ダビデと自分を比較してコンプレックスを抱き、自分の強さを証明したいと密かに願っていたのでしょう。彼は長老たちにアドバイスを求めましたが、実は自分が欲しいアドバイスを求めていただけです。そして、自分が欲しい答えを示してくれた若い家臣たちのアドバイスに従いました。

私たちが聖書を読み、神さまからの語りかけを聞こうとするときは、「自分が欲しいみことば」を探しながら読むのではなく、そこに書かれていることをそのまま素直に受け取りたいですね。そのためには、つまみ食い的な読み方ではなく、順番に読む通読がおすすめです。