嘘つきって

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(2013.11.17)

作家の故・三浦綾子さんは、人の長所を見つけてほめる天才と言われていました。ある時、秘書の方にこんなことをおっしゃったそうです。「ねえ、嘘つきって、とても創造性豊かな人よね。だって、ないものを本当にあるかのように作り出すことができるんですもの。まるで作家や芸術家みたいね」。

これを聞いた秘書の方、非常に感銘を受けます。実は、最近ご自分のお子さんが嘘をつくことが多くなり、密かに悩んでいたのでした。「嘘つきは泥棒の始まり」。このままでは、この子はろくな人生を送らないだろう。そこで厳しく指導するのですが、なかなか改まりません。

そんな折、綾子さんにはお子さんの嘘について相談したことがなかったのに、唐突に「嘘つきは創造性豊かだということ」という話をされたのでした。

それ以来、秘書の方のお子さんを見る目が変わりました。もちろん指導はしますが、決して「この子はしょうがない子だ」とは思わなくなったそうです。そして、お子さんは本当に創造性豊かに育っていき、やがて芸術の道に進んでいかれました。

神さまも、子どもである皆さんのことを、心底すばらしい存在だと思っておられます。ご自分では、「この性質は欠点だ」思うような点が、あるいはおありかもしれません。その性質のことを皆さんはどんなふうに表現なさっていますか? 三浦さんのように、「この人はすてき」という方向からの、聞いてうれしくなるような表現をしたいですね。そして、自分に対してそれができる人は、他の人に対してもできるものです。

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