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礼拝メッセージ:中通りコミュニティ・チャーチ

神からの励まし

使徒の働き18章1節〜11節

(2019年1月13日)

参考資料

1節のコリントは、アテネから西南西に60キロ離れたところにある町です。ペロポネソス半島の付け根、西のアドリア海に面したレカイオン港と、東のエーゲ海に面したケンクレア港を結ぶ、8キロほどのくびれの部分にあるため、交通の要所として栄えました。一方道徳的には退廃しており、アフロディテ神殿に仕える1000人の巫女は、公認の売春婦でもありました。当時「コリント人のように振る舞う」とは、不品行を指す言葉でした。

2節の「ポントス」は、黒海南岸のうち東側の地域。

2節の「クラウディウス帝」は、ローマ帝国第4代の皇帝(在位41-54年)。ユダヤ人をローマから追い出す命令を出したのは紀元49年のことです。ただ、ユダヤ人に対しては概ね寛容な政策をとりました。そして、それまでローマから遣わされた総督が治めていたパレスチナのユダヤ、サマリヤ、イドマヤの各地方を、ヘロデ王家のアグリッパ1世(使徒12章に登場するヘロデ)に任せました。彼は毒キノコにあたって死にますが、実は4番目の妻である小アグリッピナによって毒殺されたという説があります。そして、次皇帝になったのが、小アグリッピナの連れ子であり、やがてペテロやパウロを死に追いやることになるネロです。

4節の「安息日」は、今の暦でいうと金曜日の日没から土曜日の日没まで(ユダヤでは日没で日が変わりました)。モーセの律法では、安息日には仕事をしないで休むことが命じられていました。紀元前586年に神殿がバビロンによって破壊されて以降、ユダヤ人は、安息日に会堂(シナゴーグ)で礼拝をささげ、律法を学ぶようになりました。

7節の「神を敬う人」は、聖書の神を信じる異邦人のこと。

イントロダクション

アテネでのパウロは、ほんの数名しか救いに導くことができませんでした。そして、おそらく意気消沈してコリントに向かったものと思われます。日に書かれたコリント教会への手紙に、「あなたがたのところに行ったときの私は、弱く、恐れおののいていました」(第1コリント2:3)と書かれているからです。

私たちも、期待していたことがうまくいかなかったり、壁にぶつかったりして、意気消沈してしまうことがありますね。しかし、パウロは神さまから大きな励ましを受けました。私たちにも、神さまからの励ましが用意されています。神さまは、どのようにして私たちを励ましてくださるのでしょうか。

1.仲間との出会い

アキラとプリスキラ

パウロがアテネを離れた時、まだシラスとテモテはマケドニア地方に留まっていました。彼はたった一人でコリントに到着しました。一人っきりで活動しなければならないというのも、パウロの気分を落ち込ませていた理由の一つでしょう。

しかし、そこで彼は、アキラとプリスキラという一組の夫婦に出会います。彼らは、ローマから移住してきたユダヤ人で、テント職人でした。

パウロは元々ユダヤ教の教師(ラビ)でした。そして、ラビは民衆に聖書を教えるのにお金は取らず、別に仕事を持って自分の生活のための糧を得ていたので、パウロもテント作りのスキルを持っていました。そこで、アキラ一家の家でやっかいになりながら、その仕事を手伝って生活費をまかなうことになったのです。

アキラとプリスキラが前々からクリスチャンだったのか、それともパウロの伝道によって救われたのかは分りませんが、彼らはすぐにパウロの同労者になります。テント作りの同労者だけでなく、伝道の働きの同労者です。

「キリスト・イエスにある私の同労者、プリスカとアキラによろしく伝えてください。二人は、私のいのちを救うために自分のいのちを危険にさらしてくれました。彼らには、私だけでなく、異邦人のすべての教会も感謝しています」(ローマ16:3-4)。

三つ撚りの糸

以前、うつ病の家族や恋人や友人に対して、どんなふうに関わったらいいかを解説した本を出版していました(現在は販売終了していますが、どうしても欲しいという方はこちらまで)。精神的な病気を抱えている本人がつらいのは当然ですが、それを支える人たちも様々な痛み、苦しみを味わいます。その方々のお手伝いがしたくて書いた本です。

しかし、どう関わったらいいかという知識は得られても、それを実際に行なうエネルギーがわいてこないのが問題だという話をたくさん聞きました。そこで、購入者の皆さんが交流するためのネット上のサークルを立ち上げ、互いに弱音を吐いたり、質問をしたりできるようにしました(現在は閉鎖)。すると、別に私が何かをしたわけでもないのに、購入者の皆さんたちが、互いに励まし合い、支え合うことで、勇気ややる気が生まれ、患者さんに向き合っていけるようになっていったのです。

じっと話を聴いてくれる人がいる。痛みを分ってくれる仲間がいる。同じ目標を持った同志がいる。それは私たちにとって大きな慰めであり、励ましです。ですから、イエスさまも、弟子たちを伝道に使わすとき、2人一組になさったのでしょう。

箴言の中にこんな言葉があります。私が大好きな言葉です。「二人は一人よりもまさっている。二人の労苦には、良い報いがあるからだ。どちらかが倒れるときには、一人がその仲間を起こす。倒れても起こしてくれる者のいないひとりぼっちの人はかわいそうだ。また、二人が一緒に寝ると温かくなる。一人ではどうして温かくなるだろうか。一人なら打ち負かされても、二人なら立ち向かえる。三つ撚りの糸は簡単には切れない」(箴言4:9-12)。

神さまは、そういう仲間をあなたにも用意してくださっています。礼拝式に出席している皆さんは、周りを見渡してご覧なさい。ほら、そこにいます。勇気を出して、「どうか私の話を聞いてください。私のために祈ってください」と、口に出してみましょう。そして、あなたも隣の人の同労者になりましょう。

2.過去の働きの実

シラスとテモテの合流

パウロは、週日はアキラたちとテント作りにいそしみ、安息日には会堂でユダヤ人相手に伝道活動を行ないました。そのうち、マケドニア地方に留まっていたシラスとテモテの2人がコリントにやってきて、パウロに合流します。

すると、パウロは伝道活動に専念するようになりました(5節)。これは、自分の代わりにシラスたちを働かせたということではありません。実は、シラスたちは、マケドニア地方の諸教会(ピリピ、テサロニケ、ベレアの教会)から、パウロの働きのための献金を預かってきたのです。

後にパウロは、コリント教会に宛てた手紙の中でこう語っています。「あなたがたのところにいて困窮していたときも、私はだれにも負担をかけませんでした。マケドニアから来た兄弟たちが、私の欠乏を十分に補ってくれたからです。私は、何であれ、あなたがたの重荷にならないようにしましたし、今後もそうするつもりです」(第2コリント11:9)。

マケドニアの諸教会からの献金のおかげで、パウロは1年半もの間、コリントでの伝道活動に専念することができたのです。

マケドニアでの伝道

では、マケドニア地方での伝道がどうだったか思い出してください。最初に訪れたピリピで救われたのは、紫布の商人であるリディアとその一家、そして、牢獄の看守とその一家だけです。その後、パウロたちは町の長官に促されてピリピを後にしなければなりませんでした。

次に訪れたテサロニケでは、多くのギリシア人が救われましたが、ユダヤ人による反対と暴動が起こり、パウロたちは滞在3週間でそこを脱出しなければなりませんでした。

その次のベレヤでは、たくさんのユダヤ人とギリシア人が救われましたが、テサロニケから来たユダヤ人が暴動を起こし、すぐに立ち去らなければなりませんでした。

生まれたばかりの教会を、わずかな期間しか滞在できず、十分に教育・訓練する間もなく、しかも迫害が激しい中に残していかなければならない。伝道者であり牧師であるパウロにとって、それはどんなにか心配なことだったでしょうか。しかし、そんなマケドニアの諸教会は、貧しさと迫害の中でも、パウロの働きを支えたいと、献金を送ってくれました。

神さまは、マケドニアでの働きがしっかり実を結んでいることをパウロに教えてくださいました。ですから、パウロは期待したことでしょう。ほんの数人しか救われなかったアテネも、人間的には働きがうまくいかなかったように見えるけれど、きっと神さまが実を結ばせてくださる。そして、このコリントでも、どんなに問題が大きくても、きっと乗り越えることができる。いや、たとえ人間的には乗り越えることができず、挫折したように見えたとしても、神さまはそれでも実を結ばせてくださると。

旧約聖書にこんな言葉があります。「あなたのパンを水の上に投げよ。ずっと後の日になって、あなたはそれを見出す」(伝道者11:1)。神さまが求めておられること、喜ばれることを、ひたすら行ない続けましょう。短期的には意味のないように見えることでも、それを続けていくとき、時折神さまはその果実を見せてくださり、私たちを励ましてくださいます。

3.神の語りかけ

幻による励まし

コリントのユダヤ人たちも、その多くがパウロの話に反発しました。そこで、パウロは異邦人への伝道に働きの重点を切り替えました。もちろん、一切ユダヤ人を無視したわけではなく、チャンスがあれば伝道しました。ですから、会堂司(会堂の管理者)であるクリスポとその家族が救われています。

しかし、ここでパウロは恐れを感じたようです。というのも、神さまがパウロに幻を通して「恐れるな」と励ましておられるからです。「ある夜、主は幻によってパウロに言われた。『恐れないで、語り続けなさい。黙ってはいけない。わたしがあなたとともにいるので、あなたを襲って危害を加える者はいない。この町には、わたしの民がたくさんいるのだから』」(9-10節)。

テサロニケで、パウロはユダヤ人による迫害を経験しました。彼らはベレヤにまでやってきてパウロを攻撃しました。ユダヤ人による迫害ではありませんが、ピリピでは、ある人たちがパウロとシラスを町の長官に訴え、そのために彼らはむち打たれ、一晩牢につながれ、最終的に町を出て行かなければならなくなりました。

同じようなことがこのコリントでも起こるかも知れません。こんなに伝道活動が祝福されているのに、また救われたばかりのクリスチャンたちを残して、この町を離れなければならなくなるかも知れません。

しかし、神さまは幻の中で、そんなことにはならないから安心して語り続けなさいと励まされました。

実際、この後、ユダヤ人たちがパウロに反対し、アカイア地方を治める総督ガリオの元にパウロを引っ張っていくという事件が起こります。しかし、ガリオは、宗教的な問題に自分は関与しないと宣言します。そんなわけで、パウロたちはコリントに1年半にわたって、腰を据えて伝道することができました。神さまの約束通りです。

みことばと祈りによる励まし

神さまは様々な方法で私たちに語りかけてくださいます。パウロが今回経験したように、幻や夢や天使を通して語られることもあります。ただ、当時もそんなに頻繁に起こっていた訳ではないようですし、これは現代でも同じです。

現在、神さまが私たちに対して語られる主な方法は、第一に聖書です。そして、祈りの中で、平安を伴って繰り返し示される思いです。

私が福島で伝道を始める際、パウロの真似をして、教会からは給料をもらわないでやっていこうと決めました(今も続けています)。実際問題、ゼロからの開拓で、家族以外メンバーがいなかったわけですから、自分の手で働かなければなりませんでした。ところが、当時は日本の景気が最悪の頃で、35歳になった私を雇ってくれる会社がなかなか見つかりません。大丈夫かなという不安を抱える中、祈っていると、神さまがマタイ6:24-34を開かせてくださいました。

マタイ6章
24 だれも二人の主人に仕えることはできません。一方を憎んで他方を愛することになるか、一方を重んじて他方を軽んじることになります。あなたがたは神と富とに仕えることはできません。
25 ですから、わたしはあなたがたに言います。何を食べようか何を飲もうかと、自分のいのちのことで心配したり、何を着ようかと、自分のからだのことで心配したりするのはやめなさい。いのちは食べ物以上のもの、からだは着る物以上のものではありませんか。
26 空の鳥を見なさい。種蒔きもせず、刈り入れもせず、倉に納めることもしません。それでも、あなたがたの天の父は養っていてくださいます。あなたがたはその鳥よりも、ずっと価値があるではありませんか。
27 あなたがたのうちだれが、心配したからといって、少しでも自分のいのちを延ばすことができるでしょうか。
28 なぜ着る物のことで心配するのですか。野の花がどうして育つのか、よく考えなさい。働きもせず、紡ぎもしません。
29 しかし、わたしはあなたがたに言います。栄華を極めたソロモンでさえ、この花の一つほどにも装っていませんでした。
30 今日あっても明日は炉に投げ込まれる野の草さえ、神はこのように装ってくださるのなら、あなたがたには、もっと良くしてくださらないでしょうか。信仰の薄い人たちよ。
31 ですから、何を食べようか、何を飲もうか、何を着ようかと言って、心配しなくてよいのです。
32 これらのものはすべて、異邦人が切に求めているものです。あなたがたにこれらのものすべてが必要であることは、あなたがたの天の父が知っておられます。
33 まず神の国と神の義を求めなさい。そうすれば、これらのものはすべて、それに加えて与えられます。
34 ですから、明日のことまで心配しなくてよいのです。明日のことは明日が心配します。苦労はその日その日に十分あります。


この約束によって、私は大きな平安を味わいました。そして確かに、神さまは私たち家族を20年にわたって養ってくださいましたし、こんなに素晴らしい教会(建物ではなく、人々です)をこの地に建て上げてくださいました。

まとめ

神さまは、あなたが意気消沈しそうなときにも、励ましを用意してくださっています。

あなた自身への適用ガイド

  • 仲間に話を聴いてもらったり、祈ってもらったりしたことで、あるいは一緒に活動したことで、大きな励ましを味わった体験が最近ありましたか?
  • 「水の上に投げたパン」を、ずっと後になって見いだした経験がありますか?
  • 不安や恐れを感じているとき、神さまの語りかけによって励まされた経験がありますか? そのとき、神さまはどのような手段であなたに語りかけてこられましたか?
  • 今、あなたが神さまからの励ましを必要としている事柄は何ですか?
  • 今日の聖書の箇所を読んで、どんなことを決断しましたか?

連絡先

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福島県須賀川市森宿辰根沢74-5

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