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礼拝メッセージ:中通りコミュニティ・チャーチ

取り消されない約束

ローマ人への手紙11章17節〜29節

(2019年6月30日)

参考資料

26-27節で引用されているのは、「新しい契約」と呼ばれている神さまとイスラエルとの間の契約です。「『しかし、シオンには贖い主として来る。ヤコブの中の、背きから立ち返る者のところに。──【主】のことば』。『これは、彼らと結ぶわたしの契約である──【主】は言われる──。あなたの上にあるわたしの霊、わたしがあなたの口に置いたわたしのことばは、あなたの口からも、あなたの子孫の口からも、子孫の子孫の口からも、今よりとこしえに離れない──【主】は言われる』」(イザヤ59:20-22)。

「新しい契約」は、他にエレミヤ31:31-34、エゼキエル34:25-31、エゼキエル37:26-28に書かれています。内容を要約すると、
  • それまで神さまを信じなかったイスラエルが、民族的・国家的な救いを体験します。イスラエルの罪は完全に取り除かれ、神さまとの親密な関係が回復します。
  • 神の霊である聖霊が信者の内に住み、導くようになります。モーセの律法は、いかに生きるべきかは教えてくれても、そのように生きる力までは与えてくれませんでした。その力を与えるのが、内に住まわれる聖霊なる神さまです。
  • イスラエルに物質的な祝福が惜しみなく注がれます。敵はいなくなり、飢饉もなくなります。
  • イスラエルに永遠に続く神殿が再建されます。

イントロダクション

将来、イスラエルの人々が皆救われ、神の国に招かれるという聖書の教えは、私たち異邦人のクリスチャンにとっても決して無縁ではありません。それはどうしてでしょうか。

1.イスラエルの救い

ローマ書の構造

1-8章
ローマ人への手紙の8章までで、パウロは人の罪と救いについて記しています。異邦人もユダヤ人も、全人類が神さまに逆らう罪人であり、自分ではその罪を取り除くことができません。しかし、イエス・キリストの十字架と復活、すなわち恵みの福音(第1コリント15:1-4)を信じることにより、その罪が取り除かれ、神さまとの親子関係が始まります。「こういうわけで、今や、キリスト・イエスにある者が罪に定められることは決してありません」(8:1)。
12-16章
また、12章以降はキリストによって救われたクリスチャンが、どのような生き方をすればいいかについて書いています。「ですから、兄弟たち、私は神のあわれみによって、あなたがたに勧めます。あなたがたのからだを、神に喜ばれる、聖なる生きたささげ物として献げなさい。それこそ、あなたがたにふさわしい礼拝です。この世と調子を合わせてはいけません。むしろ、心を新たにすることで、自分を変えていただきなさい。そうすれば、神のみこころは何か、すなわち、何が良いことで、神に喜ばれ、完全であるのかを見分けるようになります」(12:1-2)。
9-11章
では、その間に挟まれている9-11章には何が書かれているでしょうか。

9章に入ると、パウロはユダヤ人の一人として嘆いています。ユダヤ人、すなわちイスラエルは神さまに選ばれた民であり、祝福の契約を受け、特別な祝福を与えられているはずなのに、その多くがイエスさまを救い主だと受け入れず、恵みの福音を拒否して神さまの敵として歩んでいるからです。

「私はキリストにあって真実を語り、偽りを言いません。私の良心も、聖霊によって私に対し証ししていますが、私には大きな悲しみがあり、私の心には絶えず痛みがあります。私は、自分の兄弟たち、肉による自分の同胞のためなら、私自身がキリストから引き離されて、のろわれた者となってもよいとさえ思っています。彼らはイスラエル人です。子とされることも、栄光も、契約も、律法の授与も、礼拝も、約束も彼らのものです。父祖たちも彼らのものです。キリストも、肉によれば彼らから出ました。キリストは万物の上にあり、とこしえにほむべき神です。アーメン」(9:1-5)。

では、神さまは不従順なイスラエルを見捨て、先祖アブラハムと結ばれた契約を破棄してしまわれたのだろうか。いや、決してそんなことはない。9-11章でパウロが主張していることはそのことです。

神の賜物と召命

11:29で、パウロははっきりと語っています。「神の賜物と召命は、取り消されることがないからです」。賜物と召命というのは、契約に基づく祝福の約束とそれに伴う特別な使命のことです。

神さまはアブラハムという人物を選び、様々な約束をなさいました。具体的な内容は、創世記12:1-3、12:7、13:14-17、15:1-21、17:1-21、22:15-18の6箇所に記されています。特に重要な約束は3つあります。
  1. 子どもがいなかったアブラハムに子を与え、そこから子孫が星のように増え広がる。
  2. アブラハムとその子孫に広大な土地、カナンの地を与える。
  3. アブラハムとその子孫を大いに祝福する。
そして、アブラハムとその子孫には全世界に祝福をもたらす使命も与えられました。彼らは、自分たちの言葉や行動を通して、世界中の人々にまことの神さまを紹介し、神さまの祝福をいただく方法を教える使命があります。
アブラハム契約の子孫とは
さて、アブラハムから生まれた子どもは全部で8人いますが、そのすべてが契約が定める「アブラハムの子孫」なのではありません。神さまが契約の継承者に選ばれた、すなわち契約で言う子孫は次男イサクでした。

イサクには2人の息子が生まれますが、選ばれたのは弟のヤコブです。

そして、ヤコブから生まれた12人の息子たちの場合は、12人全員が継承者に選ばれました。すなわち、彼らから出たイスラエル十二部族、すなわちユダヤ人ならば、どの部族出身であったとしても契約を受け継ぐ子孫です。そして、アブラハム契約に基づく神さまからの賜物と召命をいただいています。
発展する契約
アブラハム契約の3つの約束は、それぞれ新たな契約が結ばれて発展します。
  1. 子孫の約束は、ユダヤ人であるダビデの家系から救い主が誕生するという「ダビデ契約」(第1歴代誌17:10-15)に発展しました。
  2. 土地の約束は、ユダヤ人が不信仰を続けると約束の地から追い出されるが、神さまは必ずユダヤ人を約束の地に連れ戻すという「土地の契約」(申命記30:1-10とエゼキエル16:1-63)に発展しました。
  3. 祝福の約束は、新しい契約(参考資料参照)に発展しました。

オリーブのたとえ

11章で、パウロはオリーブのたとえを用いています。
  • オリーブの木は神さまがイスラエルと結ばれた祝福に関する契約(アブラハム契約と新しい契約)のことを指しています。その木の根が枝に提供している養分は、契約に基づく祝福のことです。
  • 折られてしまった「栽培された枝」は、イエスさまを信じなかったユダヤ人です。
  • 折られずに残った「栽培された枝」は、イエスさまを信じたユダヤ人クリスチャンです。イスラエルは国としてはイエスさまを救い主だと認めませんでした。ユダヤ人クリスチャンは、当時のユダヤ人全体の中ではごく少数でした。
  • 折られた枝の後に接ぎ木された「野生の枝」は、異邦人のクリスチャンです。
このたとえを述べた後、パウロは2つのことを語ります。
イスラエルとの契約は破棄されたのか
1つ目は、「もし神が本来の枝を惜しまなかったとすれば、あなたをも惜しまれないでしょう」(11:21)。

これはどういうことかといえば、もしもイスラエルが神さまに逆らったせいで、過去結ばれた契約を破棄され、捨てられてしまい、契約に基づく賜物と召命が取り上げられて異邦人に移ってしまったのだとすれば、異邦人クリスチャンであるあなたも、神さまに逆らう生き方をしたら救いを取り消されてしまうことになる、という意味です。

これはなんと恐ろしいことでしょうか。私たちのうちどれだけの人が、自分は神さまに一切逆らうことなく忠実に生きることができると思える人がいるでしょう。もちろん、よっぽど自分が見えていない人以外は誰もいません。「義人はいない。一人もいない。」(ローマ3:10)。「もし自分には罪がないと言うなら、私たちは自分自身を欺いており、私たちのうちに真理はありません」(第1ヨハネ1:8)。

しかし、安心してください。パウロは今述べたことが正しいと言っているわけではありません。あくまでも神さまがイスラエルとの契約を破棄してイスラエルを見捨ててしまったのだとすればという前提での話です。パウロは、その前提が間違っているということを主張したいのです。これがパウロが主張している2つ目の内容です。

神さまはイスラエルとの契約を破棄なさったわけではありません。賜物と召命をイスラエルから取り上げてしまわれたわけではありません。パウロは、契約に基づく神さまの賜物と召命は、決して取り消されないと語っています(11:29)。
接ぎ木された異邦人
私たち異邦人のクリスチャンは、退けられたイスラエルの代わりにアブラハム契約やそれに付随する契約を受け継いだのではなくて、ただ接ぎ木されただけです。そして、それによって新しい契約が約束している、神さまの子どもにしていただくとか、聖霊をいただいて内側から作り変えられるというような霊的な祝福を味わうことができるようになりました。

たとえで話をしましょう。神さまがユダヤ人にパソコンを与えたとします。ユダヤ人はそのパソコンを使って、様々な情報を手に入れたり、買い物をしたり、仕事を効率化したりできます。ある時から、そのユダヤ人は友人である日本人にもそのパソコンを使わせてあげるようになりました。一緒に使うこともあれば、友人が一人で使うこともあります。むしろ最近は友だちが一人で使うことの方が多くなりました。この場合、日本人の友だちはパソコンによる祝福を味わっているわけですが、パソコンはあくまでもユダヤ人のもので、友だちに所有権が移ったわけではありません。

ユダヤ人に与えられている契約の祝福と異邦人の関係もそれと同じです。契約は昔も今もイスラエルのものです。

そして、異邦人が接ぎ木されて神さまからの祝福を味わうことができるようになったのも、実は「アブラハムとその子孫を通して全世界の人々が祝福される」というアブラハム契約の定めによります。
イスラエルの民族的救い
祝福の契約は元々イスラエルと神さまの間に結ばれたものですから、もしも栽培種の枝であるユダヤ人がイエス・キリストを信じたなら、もっとたやすく契約の祝福を味わうことができるようになるとパウロは言います。「あなたが、本来野生であるオリーブから切り取られ、元の性質に反して、栽培されたオリーブに接ぎ木されたのであれば、本来栽培された枝であった彼らは、もっとたやすく自分の元のオリーブに接ぎ木されるはずです」(11:24)。

そして、旧約聖書の預言によれば、世の終わりの時、その時代に生きているすべてのユダヤ人が、イエスさまを救い主だと認めてこなかった罪を悔い改め、恵みの福音を信じて救いを体験します。「こうして、イスラエルはみな救われるのです」(11:26)。それにイスラエルの民族的な回心によってイエスさまが地上に再臨なさり(ホセア5:15-6:3、マタイ23:37-39など)、すべての悪を滅ぼして神の国の王として世界を統治なさいます。

それでは、異邦人クリスチャンである私たちは、ここからどんなレッスンを学ぶことができるでしょうか。

2.私たちへのレッスン

救いの確かさを確認しよう

1-8章で罪と救いについて語ったパウロが、続く9-11章でイスラエルに対する神さまの計画は、決して取り消しにならないことを示したのは、だから福音を信じる者は救われるというあなたに対する神さまの約束も取り消しにならないから安心しなさいと励ますためです。

自分はクリスチャンになったけれど、何年経っても相変わらず不完全だから、あるいは大きな失敗をしてしまったから、もう神さまの愛を失ってしまい、救いが取り消しになってしまったのではないだろうか。そのように心配する必要は全くありません。神さまは、決してあなたを捨てないし、あなたのために用意されている祝福を取り消しになさることはありません。

その証拠の一つがイスラエルの存在です。旧約聖書を見ても、新約聖書を見ても、イスラエルは何度も何度も神さまの約束を信じず、神さまに逆らい、偶像礼拝や快楽主義に走りました。そのため、たびたび物理的なさばきが下り、国が滅びたのも一度や二度ではありません。それでも神さまはユダヤ人をこの世から完全に抹殺なさることはありませんでした。むしろ、土地の契約で約束されているように、散らされた先からユダヤ人たちをイスラエルの地に呼び戻されました。今もイスラエル共和国が約束の地に存在しています。

神さまがイスラエルと結んだ契約が決して破られないことが、私たちに対する救いの約束も確かなものだという保証です。

自分は神さまに愛されている。守られている。祝福されている。ひいきされている。そう自分自身に、そしてイエスさまを信じる他のクリスチャンたちに語りかけ続けましょう。

喜んで仕えよう

そして、1-8章、そして9-11章によって、私たちは救いの確かさを確認し、神さまの永遠の計画に感動し、喜びに満たされるようになります。それが、続く12-16章の土台です。

12-16章はクリスチャンとしての具体的な行動について教えています。それを私たちがいやいやながらでなく、感動と喜びに満たされて行なうことを神さまは望んでおられます。

聖書を読む際、自分にどんな義務が与えられ、どんな禁止令が与えられているかを学ぶことは大切ですが、それ以上に、どれほど素晴らしい祝福がすでに与えられ、またこれから与えられると約束されているか、そこに注目しましょう。

そして神さまの喜び、賛美しましょう。それが、聖書が教える生き方を行なう原動力となります。

あなた自身への適用ガイド

  • 神さまがイスラエルと結ばれた契約が、旧約聖書や新約聖書でどのように実現してきたか、思い浮かぶものをできるだけたくさん挙げましょう。
  • 不従順なイスラエルは神さまに退けられ、代わって忠実な信者の群れである教会がイスラエルに対する約束や使命を受け継いだという「置換神学」の教えを聞いたことがあるでしょうか。その教えが正しいなら、ローマ9-11章、特に11章はどのように解釈されるでしょうか?
  • あなたは自分の救いや神さまの愛を疑ったことがありますか? それをどのように解決しましたか?
  • イスラエルと神さまの契約、また救いの計画は、あなたと神さまの関係についてどのような意味がありますか?
  • 今日の聖書の箇所を読んで、どんなことを決断しましたか?

連絡先

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福島県須賀川市森宿辰根沢74-5

TEL 090-6689-6452
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