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礼拝メッセージ:中通りコミュニティ・チャーチ

ベツァルエルとオホリアブ

助演男優シリーズ6

出エジプト記35章29節〜35節

(2022年4月3日)

ベツァルエルオホリアブは、イスラエルの礼拝に用いられる幕屋や備品などを作った職人たちのリーダーです。神はその働きために必要な力を彼らに与えました。

礼拝メッセージ音声

参考資料

29節のささげものは、幕屋(礼拝のための施設。後の神殿)や、そこで使う備品や道具を作るための材料です。イスラエル人がエジプトを脱出する際、エジプト人たちに金や銀の宝飾品、衣服などさまざまな宝物を求めました(12:35-36)。エジプト人は10の災害でひどい目にあっていたからでしょう、素直に差し出しました。これは神さまの約束でもありました(3:21-22)。

イントロダクション

今日は、ベツァルエルとオホリアブという2人の職人に焦点を合わせます。彼らは神さまの霊に満たされて、仕事をする上で必要な知恵と能力を与えられました。私たちも、人生を生きる中で神さまの助けを豊かに体験して、自分の元々の能力以上の力を発揮したいですね。今日は2人からそのために必要な態度を学びましょう。

まずは、今回の箇所を順に見ていきます。

1.神に用いられた2人の職人

幕屋の建設

(29) イスラエルの子らは男も女もみな、【主】がモーセを通して行うように命じられたすべての仕事のために、心から進んで献げたのであり、それを進んで献げるものとして【主】に持って来た。

ここで、神さまが命じた仕事とは何でしょうか。これは幕屋を建設することです。

幕屋とはテントのことですが、ここではイスラエルの民が神さまを礼拝するための施設を指します。後の時代になるとエルサレムに神殿が建てられますが、幕屋はたたんで移動させることが可能です。荒野で移動生活をするイスラエルの人々に合った礼拝場所だということです。

幕屋の大きさはどれくらいでしょうか。まず、外側をぐるりと幕で囲んであり、この内側が庭と呼ばれています。この庭の間口が50キュビト(約22.8m)、奥行き100キュビト(約45.6m)です。

そして、庭の中にいけにえをささげるための祭壇、手足をきよめるための洗盤、そして聖所が置かれます。聖所も幕で作られていて、大きさは間口と高さが10キュビト(約4.6m)、奥行きが30キュビト(約13.7m)です。

聖所の奥20キュビトのところに垂れ幕が張ってあって、その奥10キュビト分が至聖所と呼ばれます。そこには「あかしの箱」が置かれました。そのあかしの箱の中には、モーセの十戒を刻んだ2枚の石の板、アロンの杖、そして天から降ってきた食べ物であるマナが納められていました。そして、神さまはあかしの箱の上に臨在を現されました。

イスラエル・ティムナ渓谷公園に復元された幕屋(2011年撮影)
https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=15125748より
モーセは、シナイ山に登ったときに、幕屋を作るよう神さまから命ぜられました。彼がそのことをイスラエルの民に伝えると、人々は自発的に幕屋の材料となるものをささげました。

ベツァルエルの指名

(30) モーセはイスラエルの子らに言った。「見よ。【主】は、ユダ部族の、フルの子ウリの子ベツァルエルを名指して召し、

いよいよ幕屋やそこで使う備品や道具を作る作業が始まります。それに当たって、モーセは職人たちを取りまとめる責任者を指名しました。それは、神さまからの指名でした。その責任者となるべき人物は、ベツァルエルという人です。

この人はフルの子どもの子ども、すなわち孫だと書かれていますね。彼のおじいさんのフルについては、前回のメッセージで取り上げました。フルはあの勇者カレブ、ヨシュアと一緒に約束の地に偵察に行き、必ず神さまの助けによってその地に入ることができると言ったカレブの孫なので、ベツァルエルはカレブの曾孫ということになります。


(31) 彼に、知恵と英知と知識とあらゆる仕事において、神の霊を満たされた。

神さまは、ベツァルエルを神さまの霊、すなわち聖霊さまで満たされました。なぜでしょうか。


(32) それは、彼が金や銀や青銅の細工に意匠を凝らし、
(33) はめ込みの宝石を彫刻し、木を彫刻し、意匠を凝らす仕事をするためである。


ベツァルエルに与えられた任務は、幕屋で用いられるさまざまなもの、たとえば聖所や庭の周りに張るための幕、祭壇や洗盤、香をたくための台、供えのパンを置くための机、燭台、さらには至聖所に置かれるあかしの箱など、儀式に必要なものを作ることです。

どのような幕屋や備品を作るかについては、神さまが山の上でモーセにしっかりとイメージを伝えていらっしゃいました。ベツァルエルは、神さまが望まれたとおりの幕屋を作らなければなりません。そこで、間違いなく正しいものができあがるように、聖霊なる神さまがベツァルエルを導いてくださったのです。


(34a) また、彼の心に人を教える力をお与えになった。

さらに、聖霊さまはベツァルエルに人を教える力をお与えになりました。これは、ベツァルエル一人が幕屋を造るのではなく、他の職人たちと一緒にチームで作業するためです。聖霊さまに満たされたベツァルエルは、的確に他の職人たちを指導することができました。

助け手であるオホリアブ

(34b) 彼と、ダン部族のアヒサマクの子オホリアブに、そのようにされた。

神さまは、もう一人オホリアブという人も選び、ベツァルエルと一緒に職人たちを指導するリーダーになさいました。オホリアブもまた聖霊さまに満たされ、作業に必要な知恵や技術、そして職人たちを指導するが与えられました。


(35) 主は彼らをすぐれた知恵で満たされた。それは彼らが、あらゆる仕事と巧みな設計をなす者として、彫刻する者、設計する者、青、紫、緋色の撚り糸と亜麻布で刺繍する者、また機織りをする者の仕事を成し遂げるためである。

元々、ベツァルエルもオホリアブも、優れた職人の腕を持っていたのでしょう。しかし、聖霊さまが彼らを満たしたとき、彼らは元々持っていた能力以上に力を発揮しました。全知全能の神である聖霊さまが、内側から彼らを助けてくださったからです。

こうして、神さまが山の上でモーセにお伝えになったとおりの、すばらしい幕屋が完成しました。

それでは、ここから私たちは何を学ぶことができるでしょうか。

2.私たちも聖霊に満たされる

聖霊の満たしの約束

私たちも、ベツァルエルやオホリアブを助けてくださった、聖霊なる神さまの満たしを受けることができます。

本当にそんなことがあるのでしょうか。あります。そもそも人がイエスさまを信じて救われるのは、聖霊なる神さまのお働きです。

「ですから、あなたがたに次のことを教えておきます。神の御霊によって語る者はだれも『イエスは、のろわれよ』と言うことはなく、また、聖霊によるのでなければ、だれも『イエスは主です』と言うことはできません」(第1コリント12:3)。
  • 聖霊さまは、私たちが神さまに罪を犯していることを教えてくださいます。
  • 聖霊さまは、私たちが罪を離れたいと願うよう導かれます。
  • 聖霊さまは、私たちの罪を赦してくださるイエスさまを信じられるようにしてくださいます。
そして、イエスさまを信じたときから、聖霊さまは私たちの内に住んでくださいます。今の時代、聖霊さまはモーセやダビデ、預言者たち、あるいはベツァルエルやオホリアブのような特別な立場の人たちだけに働かれるのではなく、イエスさまを信じるクリスチャンはみんなの内に宿っていてくださるのです。

あなたがクリスチャンなら、あなたがそう感じても感じなくても、確かに聖霊さまが住んでおられます。そして、かつてベツァルエルやオホリアブを助けてくださったように、あなたを助けたい、あなたを通してすばらしいことをこの地上で行ないたいと願っておられます。
聖霊に満たされよ
そして、聖書は聖霊さまに満たされなさいと私たちに命じています。「また、ぶどう酒に酔ってはいけません。そこには放蕩があるからです。むしろ、御霊に満たされなさい」(エペソ5:18)。

聖霊さまが内に住んでくださるということと、聖霊さまに満たされることは別の体験です。聖霊さまはすべてのクリスチャンの内に住んでおられます。ですから「聖霊さまに内に住んでもらいなさい」と命じている聖書箇所はありません。

しかし、すべてのクリスチャンが聖霊さまの満たしを体験しているわけではありません。だからこそ、満たされなさいと命ぜられているのです。
聖霊の満たしとは
聖霊さまの満たしとは、何か恍惚状態になることでも、体が激しく震えることでも、不思議な幻が見えることでも、ずっと笑ったり賛美歌を歌ったりしていることでもありません。たまにそうなることもありますが、いつでもそうなるわけではありません。

聖霊さまの満たしとは、聖霊さまが私たちの生活のあらゆる領域を自由に支配なさっている状態になることです。
聖霊の満たしの結果
その結果として、聖霊さまに満たされた人は、大きな喜びや平安を体験したり、罪を離れてきよい生き方に変えられたりします。そして、イエスさまのことを他の人に大胆に伝えるようになります。

また、ベツァルエルやオホリアブのように優れた能力を発揮することができるようになります。人によってはいやしなどの奇跡を行なったり、通常なら知ることができないことを知る力を与えられたりします。

聖霊さまがくださる特別な能力のことを、聖霊の賜物といいます。クリスチャンは誰でも聖霊さまを内に宿しており、賜物が与えられています。聖霊さまに満たされるとき、その賜物が表に現れて力を発揮するのです。

聖書には、聖霊の賜物の例をがいくつかリストアップされていますから、興味のある方はぜひお読みください。
  • ローマ12:6-8、第1コリント12:4-11、第1コリント12:28


それぞれの賜物の意味については、以下のサイトが参考になります。

聖霊の満たしの方法

では、どのようにしたら聖霊さまに満たされるのでしょうか。それは、私たちが救われたときの方法と同じです。すなわち信仰によって聖霊さまに満たしていただけます。
(1) 満たされると信じよう
まず、自分の内に聖霊さまがすでに住んでおられ、私たちを満たし、人生を造り変えたいと願っておられること、それを信じましょう。神さまは私たちに「聖霊に満たされよ」とお命じになりました。命ぜられている以上、それは可能です。
(2) すべてを明け渡す祈りをしよう
聖霊さまに満たされるとは、聖霊さまが私たちの生活のあらゆる領域を支配なさることだと学びました。ですから、私たちは聖霊さまにすべてを明け渡し、聖霊さまが自分のすべてを自由になさることを認めましょう。

この「すべての領域」というところがミソです。たとえば、仕事のことだけは神さまに口出しされたくないとか、あの人を赦せという命令だけは聞きたくないとか、あの失敗だけは赦されているとは信じられないとかいうふうに、神さまの命令や約束に例外を設けてはいけないのです。

全部神さまにささげましょう。そして、「聖霊さまにすべてを明け渡します。どうか、私を満たしてください」と祈りましょう。

今このとき、すべてをささげることに関して気持ちがついていかなくても大丈夫です。たとえば、あの人のことを完全に赦せる気持ちになっていなくてもかまいません。ただ、そこに聖霊さまが触れてくださり、聖霊さまの望み通りに自分を変えてもいいと認めるのです。聖霊さまが働いて、にっくきあの人を赦すことになっても、それでもかまいませんと祈りましょう。
(3) あとは聖霊にお任せしよう
聖霊さまにすべてをお任せしたのですから、後は聖霊さまがどんなことをしてくださるか、楽しみに待ちましょう。
(4) 罪はすぐに悔い改め、改めて聖霊に満たされよう
私たちは不完全ですから、いったんすべてをささげても、「これだけは神さまにも譲れない」と我を張ったり、罪を犯したりしてしまうことがあります。そんなときは、すぐに罪を告白して、「この罪から離れます」と悔い改めましょう。そして、改めて「すべてを聖霊さまに明け渡します。

聖霊の満たしの目的

さて、ここでベツァルエルとオホリアブの記事から、大切なことを確認します。それは、なぜ聖霊さまに満たされるのか、聖霊の満たしの目的です。

ベツァルエルやオホリアブは、神さまが望まれたとおりの幕屋を建てるために、聖霊さまに満たされ、元々持っていた以上の能力を発揮することができました。聖霊さまに満たされたのは、彼ら自身の自己満足のためではありませんでした。すなわち、
  • 聖霊さまの満たしの目的は、ベツァルエルたちが恍惚状態になっていい気分になるためではありません。
  • 特別な賜物、すなわち幕屋を作るための能力が与えられたのは、他の職人たちと比べて立派だということを誇るためではありません。
彼らが聖霊さまに満たされたのは、神さまに奉仕するためです。神さまに奉仕することは、イスラエルの民に奉仕することでもあります。幕屋ができたことで、イスラエルの民は荒野で神さまに礼拝するための場所を得ることができました。

神さまへの奉仕を意識して生活することによって、私たちはますます神さまを身近に感じられるようになります。その結果、私たちはより深い喜び、平安、希望、勇気に満たされます。

他の人への奉仕を意識して生活することによって、私たちは人を命がけで愛してくださったイエスさまと心を一つにすることができます。その結果、私たちはイエスさまと近づき、より深い喜び、平安、希望、勇気に満たされます。

自分がいい気分になることばかり求めても、聖霊さまの満たしは受け取ることができません。私たちがいい気分になるのは、聖霊の満たしによって奉仕者になった、その副産物です。

今改めて、ベツァルエルとオホリアブが神と人に仕える奉仕者として聖霊さまに満たされたことを確認して、聖霊さまの満たしを求めましょう。

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