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礼拝メッセージ:中通りコミュニティ・チャーチ

神の国の王の誕生

クリスマス2022

第1歴代誌17章10節c〜15節

(2022年12月25日)

神の国であるイエス・キリストの誕生については、旧約聖書に預言されていました。クリスマスのメッセージです。

礼拝メッセージ音声

参考資料

10節の「あなた」は、ダビデ王のことです。

13節の「あなたより前にいた者」は、サウル王のこと。

15節の「ナタン」は、ダビデ王の時代の預言者です。ダビデがバテ・シェバと姦通し、その夫ウリヤを謀殺したときには、神さまに遣わされてダビデを糾弾しました。

イントロダクション

今日はクリスマスです。マタイによる福音書1:1に、「アブラハムの子、ダビデの子、イエス・キリストの系図」とあります。この場合の「子」というのは「子孫」という意味です。イエスさまはダビデの子孫として生まれました。そして、イスラエルの人々から「ダビデの子」と呼ばれました。

今回の箇所は、ダビデ王が神殿を建設しようと決意したときの話です。ダビデが戦争で血を流してきたため、ダビデ自身が神殿を建設することは神さまに許可されませんでしたが、その志は息子のソロモンが引き継ぎます。ただ、預言者ナタンを通して、ダビデに対して神さまからの約束が語られました。

その語りかけは、現代の日本に住む私たちにも大いに関係があります。そして、クリスマスにも。

1.世継ぎの子

世継ぎの子とは

11節に「あなたの後に世継ぎの子を起こし」と書かれています。さらっと読むと、ここで言われている「世継ぎの子」とは、ダビデの子どもの中で王権を受け継いだ跡継ぎのことだと考えられます。すなわち、ソロモンです。そして、ソロモンの跡を継いでいった代々の王さまたちです。

そして、同じく11節に「彼の王国を確立させる」と書かれています。確かに、ソロモンの時代、イスラエルの国は大変な繁栄をしました。

しかし、12節や14節にある「とこしえまでも」という言葉に注目しましょう。イスラエルの歴史を見ると、南北に分裂したり、外国に侵略されてその支配下に置かれたり、国が滅ぼされ国民が散らされてしまったりと、決して強くて確立した国とは言えない状況が続きました。しかも、今のイスラエルは王国ではなく共和国です。

度重なる苦難を経験したユダヤ人たち、特にローマ帝国に支配されていた福音書時代のユダヤ人たちは、「とこしえまでも」続く強くて確立した国をもたらしてくれる、ダビデ王のような王が現れることを切望するようになりました。

今回の箇所で、神さまがダビデに対して、とこしえの王国を確立する世継ぎの子を登場させると約束なさったからです。 この世継ぎの子こそ、救い主(ヘブル語でメシア、ギリシア語でキリスト)と呼ばれる人物です。

預言者たちの預言

アダムが罪を犯したとき、神さまは人類の罪の呪いを解決する救い主を誕生させるという約束をなさいました(創世記3:15)。それ以来、神さまは時代と共に、少しずつ救い主に関する情報を明らかにしていかれました。

今回の箇所は、救い主がダビデの子孫の中から誕生するという預言です。マタイ1:1でイエスさまがダビデの子孫だということを宣言しているのは、イエスさまが約束の救い主だということを読者に理解してもらうためです。

クリスマスは、ユダヤ人が、いや全人類が待ち望んできたダビデの子孫、すなわち救い主が誕生したことを記念する日です。

2.彼の王国

力強い統治

11節の「彼の王国」という言葉に再び注目しましょう。ここで、国とは「力強い統治、支配」という意味を持っています。イエスさまは、神が人となって来られた方です。ですから、イエスさまの王国が確立するとは、この地上が、神さまが力強く統治し、完全に支配する状態になるという意味です。

聖書の言う救いとは、小手先の生き方の知恵を授けたり、ちょっとした安楽を与えたりするのとはまったく違います。救い主の王国、すなわち神さまによる力強く完全な支配が、私の内に、私の家に、私の職場や学校に、私の町に、私の国に、私の宇宙に実現すること、これぞイエスさまがくださる救いです。
神の国はどんなところ?
イエスさまが王として治める神の国はどんなところでしょうか。
  • 愛である神さまが支配なさいますから、神の国が実現するところには愛が満ちあふれます。
  • 正義である神さまが支配なさいますから、神の国にはきよさが満ちあふれています。
  • 力ある神さまが支配なさいますから、驚くべき奇跡に満ちあふれています。

神の国の実証

ダビデの子孫として来られたイエスさまは、神の国がどのようなところなのかを、実際に目に見える形で見せてくださいました。
  • 愛に敗れ、傷ついた人を愛し、励ましました。また、互いに愛し合うことを強調なさいました。それによって、神の国は神さまと国民たち、また国民同士が深く愛し合う場所なのだということをお示しになりました。
  • 完全にきよい生き方を貫かれることによって、神の国がきよいところだということをお示しになりました。
  • 病のいやし、悪霊の追い出し、自然現象のコントロールなどの奇跡を行なわれました。それにより、神の国の支配者である神さまの力がいかに大きいかをお示しになりました。
  • 十字架によって、神さまと人間を隔てている罪が赦されるようにしてくださり、どんな人でも神の国に歓迎されているのだということをお示しになりました。
  • 復活によって、神の国が死さえも克服する世界であることをお示しになりました 。

3.神の国は近づいた

2度の来臨

イエスさまの先駆者であるバプテスマのヨハネは、「悔い改めなさい。天の御国が近づいたから」(マタイ3:2)と語りました。マタイの福音書では、神の国のことを天の御国と呼んでいます。また、イエスさまご自身も「時が満ち、神の国が近づいた」(マルコ1:15)と語られました。

イエスさまは2千年前にこの地上に来られました。それでは、本当に神の国は実現したのでしょうか。今のこの世界を見ると、未だに戦争はやまず、貧困や病気で苦しむ人たちも多く、とても神の国が確立したとは思えません。
救い主の2つのイメージ
旧約聖書が教える救い主のイメージには、2種類があります。
  1. すでに学んだようなとこしえの王国を確立する「神の国の王」としてのイメージ。
  2. 人類の罪の身代わりとして苦しむことによって、神さまと人類の仲介者となってくださる「苦難のしもべ」としてのイメージ。
実は、救い主は2度この地上に来られます。旧約聖書で描かれている救い主の2つのイメージは、2度の来臨の目的を表しています。
2度の来臨の目的
イエスさまが1度目に来られたのは、苦難のしもべとしてでした。イエスさまは十字架にかかり、復活することで、私たちの罪が赦されて、神さまの子どもとして生まれ変わることができるようにしてくださいました。

そして、いったんイエスさまは天にお帰りになりました。ですが、また帰ってくると約束しておられます。これが再臨です。再臨なさるとき、すなわち2度目に来られるとき、イエスさまは世界を支配する王として来られます。

そして、すべての悪を滅ぼして、平安と喜びと愛に満ちた神の国を建設して、私たち信者を招いてくださいます。たとえそのときに私たちが死んでいたとしても、復活してそこに住むことができます。

神の国はすでに来た

では、今の私たちはまだまだ神の国とは無関係で、これからも待ち続けなければならないのでしょうか。

あるとき、イエスさまはおっしゃいました。「パリサイ人たちが、神の国はいつ来るのかと尋ねたとき、イエスは彼らに答えられた。『神の国は、目に見える形で来るものではありません。 「見よ、ここだ」とか、「あそこだ」とか言えるようなものではありません。見なさい。神の国はあなたがたのただ中にあるのです』」(ルカ17:20-21)。

イエスさまのこの言葉は、将来見える形で神の国が実現することを否定したものではありません。

目に見える形で完全に神の国が実現するのは、イエスさまの再臨の時です。しかし、すでに神の国の影響力は、この地上に始まっています。それは、私たちクリスチャンの心の中からです。
私たちの内に実現する神の国
神の国の愛、平安、喜び、力、きよさなどは、あなたの内側から実現し始め、それが外にあふれ出てきます。イエスさまは、
  • 問題の全くない人生は保証なさいませんでしたが、どんな苦難にも耐える力と平安が与えられると約束されました。
  • 何でも思い通りに行くとはおっしゃいませんでしたが、イエスさまに従うとき、どんな祈りも聞かれること、またすべてのことが益になるということを約束なさいました。
  • 二度と誘惑されないとは約束なさいませんでしたが、誘惑に勝つ力が与えられるとおっしゃいました。
  • 自動的に聖人君子になるとはおっしゃいませんでしたが、苦難、時、そして聖霊によって、あなたはキリストに似たものに成長すると約束なさいました。
  • 金持ちになるとはおっしゃいませんでしたが、必要はすべて満たされるとおっしゃいました。
  • 悪霊を追い出したり、いやしを行なったり、イエスさまに似た言動をすることによって、周りの人たちに愛や喜びを提供できると約束してくださいました。
信じることから始めよう
神さまの祝福を受け取る原則は、昔も今も変わりません。それは、神さまの約束を聞き、それを信じるということです。

アブラハムは神さまの約束を信じました。そこで彼はユダヤ人の始祖として祝福の人生を歩み始めました。今回登場したダビデもそうです。彼は、決して完全無欠の人物ではありませんでした。姦淫と殺人という恐ろしい罪まで犯しています。しかし、失敗しても、つまずいても、神さまに信頼し続けました。ゆえに祝福を実際に手にしたのです。

あなたの内には神の国が実現しつつあります。それは、あなたの努力や才能によるのではありません。ダビデの子孫として来られたイエスさまが実現してくださいます。イエスさまはすでに2千年前にこの地上に来てくださいました。そして、今は聖霊なる神さまを通して私たちの心の中に住んでくださっています。ですから、神の国は、すでにあなたの中に始まっています。

まとめ

イエスさまは、ダビデの子孫として来られました。そして、あなたの内側に神の国を実現し、あなたを通して世界にそれを広めようとしておられます。あなたはそれを信じますか?

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