まず耳を傾けよう

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ヤコブの手紙1章17節〜22節

(2017.5.21)

参考資料

18節の「被造物の初穂」について。初穂とは、そのシーズンに取れる収穫物のうち、最初に取ったもので、この後続々と収穫がもたらされるということを保証します。
アダムの堕落によって、彼の管理下にあった全被造物が、元の素晴らしさを失ってしまいました(創世記3:17、ローマ8:19-22)。しかし、イエスさまの再臨によって人類の救いが完成すると、続いて他の被造物も元の素晴らしさを取り戻します。これが人間を「被造物の初穂」と呼んでいる理由です。

19節の「そのこと」とは、それまでに語られたこと。「人間は、自分の内側にある欲によって、誘惑に自ら引かれていって罪を犯してしまう。人間が自分の力だけで罪に抵抗することはできないが、神さまがみことばによって人間を新しく生まれさせてくださって、それが可能になった。だから、誘惑に打ち勝つために、神さまによって救われていることを忍耐して信じ続け、また誘惑に打ち勝つための知恵を祈り求めよう」ということです。

聖書からのメッセージ

イントロ

今回は、聖書が教える良い人間関係のコツです。それは「聞くには早く、語るにはおそく、怒るにはおそい」こと。人間関係について学ぶ前に、まずは神さまとの関係について見ていきましょう。

1.神との関係において

人間関係に影響する神との関係

私と神さまとの関係が良好であるなら、私と他の人との関係も自ずから良くなっていきます。「私たちは愛しています。神がまず私たちを愛してくださったからです」(第1ヨハネ4:19)。ですから、人間関係をよくしていきたいなら、まず神さまとの関係を振り返り、さらに良い関係を作り上げていくようにしなければなりませんね。

もちろん、神さまの側ではいつも私たちに手を差し伸べてくださっています。第1ヨハネに書かれている通り、「神がまず私たちを愛してくださった」のです。ですから、神さまとの関係が良くなるか悪くなるかのカギは、私たちが握っているということです。

神さまとの関係をよりよいものに育てていく努力の一つとして、ヤコブは「聞くには早く、語るにはおそく、怒るにはおそい」という原則を勧めています。

真理のことば

19節に「あなたがたはそのことを知っているのです」と語られていますが、「そのこと」とは、参考資料に書かれている通りです。

私たちは、神さまのみことばである聖書を通して、様々な真理を知りました。たとえば、
  • 神さまの存在。
  • 自分たちが神さまに逆らって罪を犯していること。
  • 正義である神さまは私たち罪人を裁かなければならないこと。
  • 愛である神さまは、私たちを赦し、永遠の祝福を与えたいと願われたこと。
そして、聖書が「神のことば」(ヨハネ1章)と呼んでいる救い主イエス・キリストが、十字架にかかり復活なさいました。それによって、罪の赦しが私たちに与えられ、私たちは神の子どもとして新しく生まれました。

私たちはこれらのことを、神のことばである聖書を通して知り、それを信じて救われました。

ですから、信仰生活において、神さまの語りかけを聞くことは、無くてはならない要素です。「信仰は聞くことから始まり、聞くことは、キリストについてのみことばによるのです」(ローマ10:17)。神さまの語りかけを聞くとは、聖書を読み、それに基づいて祈りの中で神さまが自分に何を語っておられるか、じっと黙想することです。

まず聞いてから語る

ヤコブは「聞くには早く、語るにはおそく、怒るにはおそいようにしなさい」と命じました。これは、順番を表しています。まず聞きなさい。それから語ったり怒ったりしなさいということです。

神さまに何かを求める祈りをしてはいけないわけではありません。神さまは、私たちを子として愛しておられますから、遠慮なんかするとかえって寂しく思われます。ヤコブも神さまのことを「だれにでも惜しげなく、とがめることなくお与えになる神」(1:5)と呼んでいます。大胆に祈り求めましょう。

しかし、その前に、こちらの願いとか考えとかを脇に置いて、まず神さまがどうお考えなのかを尋ね、耳を傾けてみようとヤコブは言うのです。
私たちなりのプラン
私たちには私たちなりに、何を手に入れたら幸せになれるかという考え、どのタイミングでそれを手に入れたら最高かという考えがあります。そして、それに基づいて神さまに祈り求めます。ですから、その考えに合わない状況が起こると、私たちはがっかりしますし、「どうして神さまは私の願いを叶えてくれないんだ!」と怒りを抱いてしまうでしょう。
預言者ヨナ
預言者ヨナは、敵であるアッシリヤの都ニネベが、悔い改めて神さまのさばきを免れたのを知ると、ふてくされてしまいます。おまけに、日よけにしていたトウゴマの木が枯れてしまったため、暑さも加わってヨナの怒りはますますヒートアップしました。それに対して神さまは、ヨナに向かってこんこんと語られました。

「【主】は仰せられた。『あなたは、自分で骨折らず、育てもせず、一夜で生え、一夜で滅びたこのとうごまを惜しんでいる。まして、わたしは、この大きな町ニネベを惜しまないでいられようか。そこには、右も左もわきまえない十二万以上の人間と、数多くの家畜とがいるではないか』」(ヨナ4:10-11)。

ヨナの反応は書かれていませんが、この話が後世まで残っているということは、ヨナが神さまの語りかけを受け入れて納得し、怒りを静めた証拠です。
まず聞こう
私たちは、自分なりの願いを持っていいし、自分なりの幸せに至るプランを持ってかまいません。そして、それを神さまに訴えてかまいません。ただ、それを最初はとりあえず脇に置いて、聖書を読み、傾聴の祈りをすることで、神さまの声に耳を傾けてみましょう。神さまとの関係は、今よりももっともっと良くなります。あなたは神さまをますます信頼できるようになり、神さまがどんなに自分を愛し、配慮しておられるかということを知って、感動を覚えるでしょう。

クリスチャンの人間関係は、神さまとの関係を基礎として育っていきます。というわけで、次は人間関係についても見ていきましょう。良い人間関係のコツも、「聞くには早く、語るにはおそく、怒るにはおそい」です。

2.人との関係において

語る前に、まず聞こう

私は、人と気軽におしゃべりをするのがあまり得意ではないので、雑談に関する本を読みあさった時期があります。多くの本に、ほっとするようなことが書かれていました。それは、「どんな話題を提供しようかと思い悩まなくていい。まずは、相手の話に耳を傾けることに徹してみよう」というアドバイスです。

なぜなら、多くの人は自分の話を聴いてもらいたいと思っているから。そして、自分の話を聴いてもらいたいのは、自分の気持ちを分かってもらいたいからです。だから、話の腰を折らないで耳を傾け、楽しい気持ちであっても、嫌な気持ちであっても、その気持ちを受け止めて、「へー、すごい!」とか「うれしかったでしょう」とか「それはやだよねぇ」などと共感してもらえたら、うれしいのです。

そして、そういううれしい対応をしてくれる人は好かれます。当然人間関係も良くなります。

逆に、こちらがしゃべってばかりだと、話術が上手で、面白い話題を提供し続けたとしても、きっと相手は残念な気持ちになるでしょう。

特に、私のような教えたがりだと、相手の話をちょっとだけしか聴かず、すぐに「それはいい」「それは悪い」と評価したり、「こうしたらいい」とアドバイスしたりしたくなります。それでは、相手は「別に教えて欲しくてしゃべったのではないのに」と、がっかりするでしょう。

仮に聞いたとしても、事実にばかり気を取られて、相手の気持ちを聴き取ろうとしないと、これまた相手はがっかりです。そんなことを続けていたら、だんだんと人から敬遠されるようになるかもしれません。

ですからヤコブは勧めます。語る前に、まず聞きなさい、と。

怒る前に、まず聞こう

相手の言動に頭にきた場合も、「怒るのにおそく」です。いきなり怒りをぶつけるのではなく、待ちなさいとヤコブは言います。

その理由の一つは、感情的になって怒りをぶつけても、相手は攻撃されたと感じるだけで、こちらが何を怒っているのか、代わりにどうして欲しかったのか、これからどうすればいいのかがまるっきり伝わらない恐れがあるからです。むしろ、心をガードするために、相手は耳を塞いでしまうかもしれません。

もう一つの理由は、相手には相手なりの事情があるかもしれないということです。あるいは、こちらの誤解ということもあります。それなのに頭ごなしに怒りをぶつけてしまうと、相手との信頼関係は確実に壊れます。

ですから、怒りを相手にぶつけるのは後回しにして、まず相手の話を聞きなさいとヤコブは勧めます。そうすることで、怒りの感情も少し収まってくるでしょう。
自分の心の声も聞こう
それと共に、怒っている自分自身の心の声も聞きます。こんなふうに自分に尋ねてみましょう。
  1. 相手のどんな行動が問題なのか?
  2. どうしてそれが問題なのか?
  3. 代わりにどのような行動をしてもらいたいのか?
その答えが聞こえてきたら、それを冷静に相手に伝えます。その方が、わめき散らすよりずっと相手は理解できるし、行動も変えやすいことでしょう。

言い訳だって聞こう

相手が愚にもつかない言い訳をしたとしても、まず聞きましょう。その上で「じゃあ、その理由が成り立たなくなるためには、これからどうしたらいいと思う?」と尋ねて、また相手の話を聞きます。

たとえば、遅刻を繰り返す部下がいるとします。怒鳴る前に、どうして遅れるのか尋ねます。すると、渋滞に巻き込まれるんだとか何とか言い訳するかもしれません。その時、「じゃあ、渋滞しても遅れないためには、どうしたらいいと思う?」と尋ねて、答えてもらいます。

まとめ

それにしても、私たちは自分がしゃべりたい、教えたい、説教したい、怒鳴りたいのに、それを後回しにしてまず相手の話を聞くというのは、ストレスがたまりますね。

だからこそ、神さまの愛のメッセージを聞き、自分がどれだけ神さまに守られ、支えられているのかということを知って、感動している必要があるのです。いつも、神さまの声を聞きましょう。

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