聖霊に喜ばれる言葉

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ローマ人への手紙4章26節〜32節

(2017.6.11)

参考資料



聖書からのメッセージ

イントロ

先週はペンテコステで、聖霊さまのお働きについて学びました。今日の箇所には、「神の聖霊を悲しませてはいけません」(30節)と書かれています。むしろ、聖霊さまに喜んでいただくには、どうしたらいいのでしょうか。

1.悪い言葉を使わない

聖霊を悲しませる方法

聖霊さまを悲しませない方法を考えるために、逆にどうしたら聖霊さまを悲しませることができるか考えてみましょう。続く31節には「無慈悲、憤り、怒り、叫び、そしりなどを、いっさいの悪意とともに、みな捨て去りなさい」と書かれています。これらは、誰かに対する怒りに基づく、攻撃的な物言いや見下すような態度を表しています。そういうことをすると、聖霊さまを悲しませてしまう、ということですね。

怒りに関して、26節には「怒っても、罪を犯してはなりません。日が暮れるまで憤ったままでいてはいけません」と書かれています。怒ることそのものが禁じられているのではありません。父なる神さまもイエスさまも、しばしば怒りを覚え、それを表現しておられます。問題なのは、怒りを正しく処理しないまま抱え続け、怒りのあまり罪を犯すこと、すなわち本来すべきでないことをしてしまうことです。

29節の前半には「悪いことばを、いっさい口から出してはいけません」と書かれています。「悪い言葉」とは、特に怒りのあまり、つい口にしてしまう、本来口にすべきでない言葉です。

叱ると怒るは違う

よく言われる言葉ですが、「叱ると怒る」は違います。この場合の「叱る」は教育です。しかし、「怒る」は単なる鬱憤晴らしです。

先日、スーパーの中で若いお母さんが小さな子どもを怒鳴っている場面に遭遇しました。お母さんはかなりの大声と恐ろしい表情でがなり立てていて、子どもは悲しそうな顔でうつむいています。

お母さんが怒鳴ったのには、それなりの理由があったはずです。お母さんは絶対にその子のことを大切に思っていて、その子のために怒鳴ったのだろうと想像します。

ただ、お母さんが本当に伝えたいこと、たとえば
  • お母さんはその子のどんな行動を問題にしているのか
  • どうしてその行動がいけないのか
  • 代わりにどういう行動が求められているのか
  • その「代わりの行動」をするとどんなメリットがあるのか
などは、ちっとも伝わっていない感じでした。もしかしたら、その子は「お母さんに嫌われた」としか思えなかったかもしれません。これでは怒鳴った意味がありませんし、お母さんにとっても子どもにとっても残念なだけですね。

こういうことは、親子関係に限ったことではありません。夫婦の間で、上司と部下の間で、店員と客との間で、友だち同士や恋人同士の間で、時々起こることです。

効果的ですか?

29節の前半で「悪い言葉を使わないように」と勧めた後、後半にはこのように書かれています。「ただ、必要なとき、人の徳を養うのに役立つことばを話し、聞く人に恵みを与えなさい」。「人の徳を養う」というのは、「その人が望ましい方向に変化、成長するのを助ける」という意味です。

誰かに何かを言いたくなったときには、ちょっと立ち止まって考えてからにしましょう。今自分が語ろうとしている言葉は、本当にその人の成長に役立つだろうか、あるいは単なる自己満足や鬱憤晴らしに過ぎなくはないだろうかと。

では、どのような言葉が、人の徳を養い、聖霊さまに喜んでいただけるのでしょうか。

2.人を建て上げる言葉を使う

恵みを与える言葉

29節の最後には「聞く人に恵みを与えなさい」と書かれています。

神の恵みとは、「神さまにもっと愛されるために私たちにできることは何もないし、神さまにもっと愛されなくなるために私たちにできることも何もない」ということです(フィリップ・ヤンシーの定義)。すなわち、神さまは、私たち人間の側がどんな性質や態度や状態であっても、一方的に愛し、大切にしてくださっているということです。

そして、神さまは様々な方法で、私たちが神さまにとって大切な存在なのだということを教えてくださっています。その最たるものが、イエス・キリストの十字架です。イエスさまは、私たちが救われるためなら、ご自身の命と引き換えにしても惜しくないと思われるほど、私たちのことを大切に思ってくださっています。

聖霊なる神さまは、私たちが罪を犯したり、本来すべき行ないをしていなかったりすると、時折心の中をチクチクと責めて、間違った道を行こうとしているよと教えてくださいます。聖霊さまが罪を責めるのは、私たちをいじめるためではありません。罪は私たちと神さまとの関係を損ね、本来の祝福に満ちた人生を台無しにしてしまいます。私たちを愛しておられる聖霊さまは、私たちが神さまとの親密で幸せな関係を回復するために、罪を指摘なさるのです。

それに倣って、私たちも他の人がどんな状態であっても、その人が大切な存在なのだということが分かるような行動を取りましょう。特に、そういう言葉を使いましょうと、パウロはここで勧めています。

以前、東京の町田で牧会していたとき、町田市内の牧師会の集まりで、アメリカと日本で長らく伝道・牧会をしてこられたバド&キャシー・ピアソン先生ご夫妻がお話をしてくださったことがあります。

ピアソンご夫妻は、聖書が語る結婚についてお話しくださったのですが、そこで特に強調なさったのは、夫が妻にストレートに愛を表現するということでした。手をつなぐ。肩を抱く。花を買ってくる。黙って話を聞く。家事を自分から進んで手伝う。そして、「愛しているよ」と口に出して言う……。出席した男性陣の中には、日本人は以心伝心で愛を伝えるものだとおっしゃる方もいらっしゃったのですが、牧師夫人の皆さんは、もしそうされたら嬉しいとおっしゃっていました。

これは夫婦間だけの心得ではありません。親子の間でも、上司と部下の間でも、友人同士の間でも、相手のことを大切に思っていると言うことを、ただ心の中で思うだけでなく、それを具体的に言葉で表現しましょう。たとえ相手を注意したり、叱ったりしなければならないことがあったとしても、相手のことを大切に思っているのだということを積極的に示しましょう。

赦しの言葉

また、神さまの恵みは、罪の赦しという形で表現されています。32節には、私たちもそれに倣うよう勧められています。「お互いに親切にし、心の優しい人となり、神がキリストにおいてあなたがたを赦してくださったように、互いに赦し合いなさい」。

神さまの赦しは、単に罰を与えないということではなく、再チャレンジのチャンスを与えるものです。私たちはこれまで、どれほど同じ過ちを繰り返してきたことでしょうか。神さまは、そのたびに私たちの罪を赦し、「もう一度やってごらん」と、再び挑戦するよう励ましてくださいました。

ただし、「頑張れ!」と叱咤激励するだけでは、なかなかうまくいきませんね。CMのように「やる気スイッチ」が目に見えるところに設置されていれば楽ですが、現実にはそういうものではありません。一体どうしたらいいのでしょう。

イエスさまはおっしゃいました。「自分にしてもらいたいと望むとおり、人にもそのようにしなさい」(ルカ6:31)。ですから、自分自身がどのように接してもらったらやる気が引き出されるかを考えてみましょう。

先日、過去に書いた「スクールソーシャルワーカーだより」を読み直していたら、自分が小学校2年生の時のエピソードが書かれていました。

別の話です。高校野球の選手が、バントを失敗してアウトになってしまい、みすみすチャンスを潰してしまいました。がっかりしてベンチに戻ってきた選手に、監督が言いました。「どこにめをつけてるんだ!」……ではなく、「150キロ近いスピードの硬球が頭や顔に当たったら、大怪我をする。でも、お前はあの剛速球に顔を背けたり目を閉じたりしないで、最後まで見続ける勇気があった。だから、次は大丈夫」。その選手は、その後大活躍するようになりました。

また、こんな話もあります。

たとえ表面的には失敗だったり、問題だったり、短所だったりしても、その中にある素晴らしい要素や可能性に気づき、それを指摘し、「あなたは素晴らしい」とほめ、「だから大丈夫」と励ますこと。それがやる気につながります。

初めて立ち上がろうとしている赤ちゃんに対して、一度や二度尻餅をついたからといって、「こいつはダメだ」などと見捨てたりしませんね? むしろ、立とうとしてチャレンジした頑張りをほめ、わずか0.5秒であっても、両手を支えから浮かせることができたことを喜びます。そうすると、赤ちゃんは勇気をもらって、またやってみようという気持ちになります。

神さまは、私たちにそのようなまなざしで関わってくださっています。神さまの子どもである私たちもまた、他の人に対して、そのようなまなざしを持ちましょう。そして、失敗してしまった人に対して、「大丈夫!」と、励ましの言葉をかけられる存在になりたいですね。

もちろん、他人だけでなく、自分自身にもそのような言葉かけをしましょう。

まとめ

私たち神の子どもたちは、他人や自分に対して、鬱憤晴らしや、やる気を損ねるような言葉かけをするのではなく、恵みに満ちた、やる気を引き出すような言葉かけを心がけましょう。

聖霊さまが私たちの口をきよめ、用いてくださいますように。

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