スクールソーシャルワーカーだより

リフレーミング その2

前回、「これはひどい、これはダメだと思えるような状況でも、見方を変えてみると喜びの種、感動の種、希望の種に満ちていることが分かる」というお話をしました。それに関して質問をいただきました。

 

この性格のどこがいいのか

質問をくださったのは、2人のお子さんを持つお母さんです。仮にAさんとお呼びすることにしましょう。Aさんはご自分についてこうおっしゃいました。

自分は、怒りっぽい性格で、いつも子どもたちをガミガミと叱ってしまいます。こんな自分の性格がいいとはとても思いません。

 

性格はレッテル

まずAさんに申し上げたのは、性格というのは、「行動パターン」につけたレッテルだということ。たとえば、私は自他共に認める優柔不断な性格ですが、これは「決断するのに他の人より時間がかかることが多い」という行動パターンに、マイナスのレッテルを貼ったものです。

 

しかし、この行動パターンは、必ずしもマイナスに働くわけではありません。プラスに働けば「安易に判断せず、様々な可能性を多面的に考慮し、最良の決断を下せる」ということです。ですから、同じ行動パターンにプラスのレッテルを貼ることもできます。すなわち私は「慎重で思慮深い」長所を持っているということです。

 

要は、同じ行動パターンを、プラスに使うかマイナスに使うかです。

 

呼ばれて飛び出て……

教室で「山田さん」と呼ぶと山田さんが返事をします。「佐藤さん」と呼ぶと佐藤さんが返事をします。同様に、マイナスのレッテルを呼ぶと、マイナスの行動パターンが表に出てきます。プラスのレッテルを呼ぶと、プラスの行動パターンが表に出てきます。ですから、Aさんも「怒りっぽい」というマイナスイメージのレッテルをプラスイメージのレッテルに変換して、自分自身を表現してみるのはどうでしょうか。

 

リフレーミングしてみましょう

では、「怒りっぽい」をプラスのレッテルに変換するとどうなるでしょう。私がAさんに申し上げたのはこうです。

 

それは、お子さんの幸せを真剣に考えているということです。

最近は、自分の子どもが公の場で騒いだりいたずらをしたりしているのに、全く叱ることができない親が増えています。そんなふうに育った子どもたちは、ルールやマナーを守る力が身についていないため、人間関係がうまくいかなくなって、学校や社会の中でつらい思いをしてしまうことでしょう。
しかし、Aさんはお子さんに社会性や自立の力をしっかり身につけてもらいたいと願っておられます。それは素晴らしいことです。
Aさんは、愛情に満ちたお母さんです。

 

そうです。Aさんはお子さんへの愛情に満ちたお方です。ですから、叱るという方法だけでなく、お子さんの健全な行動をほめたり、可能性を信じて励ましたりできるはずです。そして、そういう目でご自分を見るなら、すでにそれをなさっているはずです。

 

レッテル変換ゲーム

私が一人で良くやるゲームは、短所を表す表現を見聞きしたとき、それをプラスイメージのレッテルに変換することです。たとえば、

 

嘘つき 頭がいい。創造性が高い。
だらしない おおらか。細かいことに神経質にならない。安心感を与える。
おしゃべり 明朗快活。人見知りでない。社交的。
ネクラ 穏やか。危機管理能力が高い。
落ち着きがない 活動的。好奇心旺盛。
図々しい 物怖じしない。大胆。気さく。
気が弱い 人の気持ちに配慮できる。優しい。

 

最初は「こんなのへりくつだ」と思えるかもしれませんが、それでかまいません。やり続けていくと、自然に変換できるようになるし、その通りだと信じられるようになります。

 

皆さんも、お子さんたちと一緒にやってみませんか? それにより、あなたもお子さんたちも、リフレーミングの力をつけて、自分や他の人を勇気づけられる達人に育つでしょう。

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