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福島県大玉村 スクールソーシャルワーカーだより

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〒969-1302 福島県安達郡大玉村玉井西庵183

アクティブ・ラーニング


2019年12月号
来年度から、小中学校では本格的に「主体的・対話的で深い学び」、いわゆる「アクティブ・ラーニング」が導入されます。もちろんそれは子どもたちの将来のことを考えてのことです。保護者の皆さんもぜひそれについて理解し、家庭でもアクティブ・ラーニングを実践していただければと思います。

アクティブ・ラーニングとは

天才物理学者アインシュタインは、自分の家の電話番号を憶えていなかったそうです。「そんなものは電話帳を見れば書いてあるから憶えておく意味が無い。」と言ったとか。自分の脳みそはどこにも書いていないことを発見・研究するために使うというわけです。今後は、今ある仕事の多くがAI(人工知能)に取って代わられると言われています。ですからこれからの時代、「AIが苦手な、人間でなければできない仕事ができるような能力」を伸ばしていくことが大切になります。

これまでの学習は、教師が教科書や黒板の板書や口頭での説明を使って、一方的に知識や技術を教えるという一方通行の授業であり、児童生徒にとってはそれを聞き、ノートに書き写し、繰り返し練習して記憶するという受動的な学習でした。

これに対して、アクティブ・ラーニングは児童生徒自身が課題の解決に向けて能動的に取り組む学習方法です。具体的には、児童生徒同士によるディスカッションやグループワーク、体験学習などを通して行なわれます。その目的は、「自ら疑問を持ち、課題を見つけだす能力」「課題の解答を自ら導き出す能力」「その答えを第三者に伝わるように説明できる能力」「第三者からの質問や反論にも論理的に対応できる能力」を育てることです。これらはAIが苦手な、人間ならではの能力です。

たとえば、日本史の授業で「本能寺の変」について学習するとします。「本能寺の変」がいつ起こったのか。主要な登場人物は誰か。それが起こった結果、どんなことがその後展開したのか。こういったことを憶えるのが学習の中心です。もちろん、今後もそういう学習がなくなるわけではありませんが、アクティブ・ラーニングではたとえばこういった課題が設定されます。
もし信長が本能寺を無事に脱出できていたら、その後日本の歴史はどうなっていたか。
これを数名のグループに分かれて話し合い、その後クラス全体で発表し、それぞれ質疑応答をし合います。答えそのものが重要なのではありません。その答えを導き出したり発表したり質疑応答したりする過程で、発想力や創造性や論理性やコミュニケーション能力やディベート能力が磨かれていくことが重要なのです。

家庭でできるアクティブ・ラーニング

家庭でもアクティブ・ラーニングを心がけてみましょう。いくつかやり方を紹介します。

内容を詳しく説明してもらう

子どもが本を読んだりテレビ番組やビデオを観たりした後で、「どんな話だったの?」とその内容を説明してもらいます。そして、「主人公はどんな人?」とか「この人はどうしてそんなことをしたの?」など、大人がいろいろと質問しながらより詳しく説明してもらうようにしましょう。

同様に、学校でどんな学習や活動をしたか尋ねます。たとえば「今日の給食は何だった?」と質問して、「カレーだったよ」と答えが返ってきたら、さらに「具はどんなのが入ってた?」「味はどうだった?」など、より詳細な説明を引き出します。

当たり前のことに疑問を持たせる

「ナメクジはカタツムリに似ているのに、どうして殻がないんだろうね」とか「このミカンって、ミカン山からどうやって我が家に来たんだろう」とか子どもに疑問を投げかけて、それまで当たり前のように見過ごしてきたことに疑問を持つという経験をさせます。

一緒に調べる

上述のように子どもに疑問を投げかけたり、子どもの方から何か質問してきたりしたら、たとえ答えを知っていてもすぐに教えず、辞書や百科事典やネットなどを使って一緒にその答えを調べましょう。

自分で決めさせる

子どもが自分で選んで差し支えないことに関しては、親が「こうしなさい」「こうした方がいい」と押しつけるのではなく、自分で決めさせます。たとえば、明日学校にはいていく靴下を親が用意するのではなく、2,3足提示して「どれをはいていく?」と子どもに尋ねて決めさせます。

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スクールソーシャルワーカー
増田泰司(ますだたいじ)

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FAX.0243-48-2909