2022年3月号
間もなくお子さんの卒業・卒園・入学・進級ですね。おめでとうございます。この1年の子どもたちの成長はめざましいものがあります。4月からの新しい生活も楽しみですね。
それでは、今年度最後のスクールソーシャルワーカーだよりをお届けします。
ストレス解消法
先日、何人かの知人たちに、ストレスがたまってきたとき、どんなふうに解消しているか尋ねてみました。そうしたら、次のような解消法を挙げてくれました。
「寝る」「おいしいものを食べる」「アルコールを飲む」「ストレッチや運動をする」「友だちに電話して愚痴る」「趣味に没頭する」「お笑いのビデオを見て笑う」「ゲームをする」「散歩する」「ネットで買い物する」「読書する」「温泉に入る」
以前なら「カラオケに行く」とか「旅行に出かける」などという対処法も聞かれたでしょうが、最近はコロナ禍の影響でなかなか実行できません。それでも、様々な対処法がありますね。皆さんは、これ以外に何か対処法を持っていらっしゃいますか?
ネットで「ストレス解消法」を検索していたら、あるお菓子がイライラに効くと書かれている記事を読みました。そのお菓子とは「
ラムネ」です。
皆さんは、おなかがすくとイライラしたり、気分のアップダウンが激しくなったりした経験はありませんか? これは、脳のエネルギー源であるブドウ糖が不足してきて、感情を調節したり、上手に問題に対処したりする力が弱くなるからです。ですから、正式な食事の前に空腹を感じたときには、おなかの中に軽く何か入れるのがいいようです。
ただし、ブドウ糖以外の糖質を摂取すると、消化器官で分解してブドウ糖に変える手間がかかります。一方、ブドウ糖そのものを摂取すれば速やかに体に吸収され、脳を活性化します。その点、お菓子のラムネは成分のほとんどがブドウ糖なので、イライラ予防にいいというわけです。もちろん食べ過ぎには注意が必要ですが、私も試してみようと思って1本買いました。
子どもたちのストレス解消法
大人同様、子どもたちも様々なストレスにさらされています。勉強が分からないとか、友だちや先生とうまくいかないとか、誰かに嫌なことをされたり言われたりしたとか、新型コロナに感染するのが心配とか。そして、それが高じればイライラしたり、落ち込んだり、「もう、やってらんない!」と爆発しそうになったりします。
では、子どもたちは皆さんのように、自分なりのストレス解消法を知っているでしょうか。大人や友だちを観察しながら、自然と適切な解消法を身につけている子もいます。しかし、実はどうしたらいいのか知らず、ストレスをため込んでしまいがちな子どもも多いのです。
そのようにしてストレスがかかり続けると、どうなるでしょう。もしかしたら不適切な解消法に走るかも知れません。たとえば、誰かをけなす、暴力を振るう、物を壊す、不登校になる、学習を拒否する、窃盗、薬を大量摂取するなどです。それさえできずにため込み続け、心の許容量をオーバーしてしまえば、心身の不調や疾患に進んでしまうでしょう。
ですから、
私たち大人が、子どもたちに「適切な」ストレス解消法を教えてやる必要があります。ソーシャルスキルトレーニングでは、「こういう状況になったら、どんなふうに行動するか」ということを子どもと一緒に考え、練習します。それと同じように、ストレスがかかるさまざまな状況を想定して、こんな場合にはどういうふうに行動したらいいかを、子どもと話し合いましょう。
ストレス解消法は複数用意
最近聞いた、子どものメンタルヘルスに関する講義によれば、
ストレス解消法は一つではなく、複数用意しておくといいそうです。というのも、唯一の解消法が何かの事情で使えなくなると、どうしようもなくなるからです。
さらに講師はおっしゃいます。
「ストレス解消法のリストの中に、必ず『誰かに相談する』が入っていることが大切です。」困ったりつらかったりしたら、他の人にヘルプを出せるし、出していいのだということを、ぜひ子どもたちに教えてあげてください。もちろん、相談先についても一人でなく、できるだけ多く見つけておくよう指導しましょう。