ショートエッセイ：中通りコミュニティ・チャーチ

（2025年10月5日）

クリスチャンであるAさんは、小さな町工場で働いていました。その工場では精密機械の部品を作っていて、完成した部品は自動車や医療機器などに使われていました。

Aさんが担当していたのは、製品の最終検査でした。目視では確認できない小さな傷やゆがみを、専用の機械を使ってチェックする仕事です。

ある日、検査で微妙な不具合を見つけました。それはごくわずかな誤差で、そのまま出荷しても気づかれないかもしれない程度のものでした。納期も迫っていて、上司からは「これくらいなら大丈夫じゃないか」という雰囲気も感じました。

しかし、Aさんは考えました。「誰も気づかないかもしれない。でも、この部品は人の命に関わる機械に使われるのだから手は抜けない」。そして、その製品を不合格にしたのでした。結果として納期は少し遅れましたが、取引先からはかえって信頼され、その後も長い付き合いが続いているそうです。

イエスさまの「タラントのたとえ」で、主人が忠実なしもべに対して次のように語ってほめています。

（マタイ25:21）よくやった。良い忠実なしもべだ。おまえはわずかな物に忠実だったから、多くの物を任せよう。主人の喜びをともに喜んでくれ。

私たちも、かくありたいものですね。