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ショートエッセイ:中通りコミュニティ・チャーチ

虫がいい

(2006年8月13日)

ある小さな教会(A教会ということにしましょう)が、大変な問題に巻き込まれてしまいました。そんな中、教会を離れてしまう人も出ました。しかし、残った人たちは、心を合わせて問題に立ち向かいました。そして、数年後、問題を乗り越えたA教会は、爆発的に成長し始めたのです。

ある時、その地区のいくつかの教会が、合同の婦人集会を行ないました。そこに、あの問題の中でA教会から別の教会に移っていった婦人が来ていました。その人は、A教会の人たちに「A教会、祝福されているんだってね。私もまた戻りたいな」と言いました。

多くの人たちは「あの大変なときに教会を捨てておいて、問題が無くなったら帰ってきたいなんて。虫がいいこと」という思いを持ったそうです。しかし、ある婦人がこう言いました。「よかった! ずっとあなたのこと、祈ってたんだよ」。

A教会の多くの婦人たちの反応は、当然であり、別に悪いわけではありません。それだけ大変な苦労をしながら、問題を乗り越えてきたのでしょうから。私が彼らなら、実際に口に出したかもしれません。

しかし、「祈ってたんだよ」と言ったご婦人は、あの時の苦労が苦労ではなくなっていました。むしろ、神さまが与えてくださった祝福と捉えていました。ですから、「虫がいい」という発想自体が出てこなかったのでしょう。

上には上がいるものだと思わされました。

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