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ショートエッセイ:中通りコミュニティ・チャーチ

その人の話

(2009年11月15日)

私は、C.S.ルイスの「ナルニア国物語」(岩波少年文庫)というシリーズが大好きです。最近、映画化もされましたね。

これは、「もの言う獣」たちが住むナルニアという異世界の、創世から終末までを描いた一連のファンタジーなのですが、このシリーズ全巻に「アスラン」という名の金色のライオンが登場します。彼は、実はイエス・キリストのナルニアでの姿なのです。

このシリーズの5作目「馬と少年」の中で、主人公の少年シャスタがアスランに出会います。シャスタはアスランに、自分の友だちであるアラビスを襲って怪我させたのはあなたかと質問します。アスランはそうだと答えます。

シャスタがさらに「なぜ?」と問うと、アスランは言います。「いいか。今わたしが話していることは、あの子のことではなくて、あんたのことだ。わたしは、その人にはその人だけの話しかしないのだ」。

アスランは後にアラビスにも出会い、自分がなぜ彼女を傷つけたのか、その理由を教えてくれます。それは、アラビスのわがままのせいで鞭打たれることになった召使いの背中の痛みを、彼女にも分からせるためでした。アラビスは、召使いのその後の様子を尋ねますが、その時もアスランは同じ答えをしました。

聖書を読むときに、それを社会一般や、他の人についての話として読むのもいいですが、「この自分に向けて語られた言葉」として読んでみる。聖書の言葉を、自分に向けて語られた命令、約束、励まし、戒めとして読んでみる。そうするとき、聖書が私たちにとって、もっともっと意味あるものになるのではないでしょうか。

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