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ショートエッセイ:中通りコミュニティ・チャーチ

リッチなまま死なないように

(2015年8月9日)

ロッキー山脈で、金鉱を探し当てようとする2人の男性がいました。彼らは、来る日も来る日も、金を求めて山を掘り続けましたが、いつも手ぶらで帰って来なければなりませんでした。それでも、彼らは期待し続け、掘り続けました。

そんなある時、坑道の奥で、ついに彼らは金鉱石を掘り当てました。さらに掘ってみると、すると、次々と金鉱石が出てきます。ついに巨大な金鉱脈を見つけたのです! 彼らは狂喜し、狂ったように岩盤を掘り続けました。

と、その時、突然轟音と共に坑道の天井が崩れました。たくさんの土砂が二人を襲いました。一人は足にケガを負ったようです。しかし、彼は大きな金鉱石をしっかりと胸に抱いたままでした。

「おい、大丈夫か?」 もう一人が隙間の向こうから声をかけました。「早く、この穴からこちらにはい出してくるんだ。俺が手を貸してやる。ばかやろう、そんな大きな岩を抱えて動けるわけがないだろう。そんなの放っておいて、早く俺の手をつかめ。もうすぐそこは完全につぶれちまうぞ!」

しかし、ケガをした鉱夫は言いました。「いやだ。こいつは、俺が自分の人生をかけてやっと探し当てたものだ。そう簡単にあきらめられるものか!」

ずずずずずず……。不気味な音がさらに大きくなりました。ケガをしていない方の鉱夫が悲痛な叫び声を上げました。「冗談じゃない。こんな所でお前が死んでしまったら、お前の家族に俺は何て言えばいいんだ!」 するともう一人が言いました。「俺はリッチになって死んだと、みんなに伝えてくれ!」

私たちに、神さまは様々な能力を与えてくださっています。それを使わず抱え込んだまま、いわばリッチになって死ぬのではなく、最後の最後まで使い切り、与え切って天国に帰りたいものですね。

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