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ショートエッセイ:中通りコミュニティ・チャーチ

百倍の祝福

(2016年10月2日)

大学四年の冬、既に出身県で小学校教師になることが決まっていたのに、私は突然それを辞退すると言い出しました。神さまから伝道者になるよう望まれていると受け取ったからでした。当然のことながら、クリスチャンではない親は大反対。兵糧責めというわけでしょうか、仕送りも止まってしまいました。卒業まで2ヶ月強。断食して過ごすにはちょっと長すぎるかなあなんて思っておりました。

そんなある日の礼拝の時、私の財布の中には何枚かの貨幣しかありませんでした。神さまは、貧しい方ではありませんので、私のお金が欲しいわけではありませんし、この時五十円玉ではなく、十円玉や五円玉の方を献金したからといって、罰を下すような心の狭い方でもありません。しかし、この時は、どういう訳だか、五十円玉(しかも2枚も!)を捧げなきゃという思いにさせられたのです。問題は、これを献金してしまうと、下宿まで帰る電車賃が足りなくなるということでした。徒歩だとおそらく1時間強。でもまあ、遠足だと思えばいいかと思って捧げてしまったのです。

礼拝後、同級生のO君が近づいてきてこう言いました。「礼拝中、どうもお前の顔と、一万円札が頭にちらついて離れないんだ。これはどう考えても、神さまがお前に一万円やれとおっしゃっているに違いない」と……。文字通り、百倍の祝福(マルコ10:29-30)でした。

私は教会の人たちに、経済的に苦しいなどという話はしませんでした。にもかかわらず、その後もいろんな方が「神さまに示された」と言っては金銭をサポートしてくださったり、食事をごちそうしてくださったりしました。そのようなわけで、卒業前の2ヶ月の方が、それ以前よりもずっと豊かな食生活を送ることになったのです(笑)。

神さまの祝福はこれにとどまりませんでした。あの当時は大反対していた家族でしたが、その後弟が救われてその後牧師となり、妹も私に結婚式の司式を依頼し、両親も今では私の仕事を理解し応援してくれています。

そう。神さまは、私以上に私のことをよくご存じで、私のことを心配し、私のことを助けてくださる方なのです。

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